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アメリカ・カリフォルニア州にあるNASAエイムズ研究所に、日本人研究員の藤島皓介さんを紹介。藤島さんは、地球外生命体の研究を行っている。NASAが蓄積してきたデータから、地球外にも生命を育む環境が予想以上に整っていることが分かってきた。そこでNASAは地球外生命体の研究に乗り出したという。
NASAのジェット推進研究所は、宇宙探査計画においてNASAで最も重要な拠点。ここで、無人探査機のカッシーニとの交信が行われていた。カッシーニは土星のまわりを回る衛星を調査中。そのカッシーニから届くデータの中に、エンセラダスという星の表面から海水の成分が吹き出ている画像があった。エンセラダスは表面を分厚い氷に覆われている。カッシーニの調査により、分厚い氷の内側には海があることがわかった。熱水活動も確認されており、有機物の一種もあるため生命の誕生と維持に必須の三大要素が整っている。
NASAの研究者によると、地球の深海にある熱水噴出孔で生息しているエビの一種のような生き物がいる可能性があるという。藤島さんは、ペプチドという分子に注目。ペプチドとはタンパク質のことで、生命の起源や生命体が存在する有力な証拠になる可能性がある。
藤島さんがアメリカに移り住んだのは4年前。一軒家に妻と娘の3人で暮らしている。藤島さんは、ニュートンという科学雑誌がきっかけで宇宙の研究を始めたという。4月、藤島さんは一時帰国し、神奈川・相模原市にあるJAXAの施設で矢野助教と高速で撃ちだしたサンプルをエアロゲルで捕獲するという実験を行った。エンセラダスから吹き出す海水に無人探査機が突入するスピードは秒速6キロ。音速よりはるかに速いスピードで進みながら、ペプチドを捕獲しなければならない。
JAXAでの実験からおよそ2週間、フランス・パリでエアロゲルがキャッチした物質からペプチドを取り出す作業を行った。エアロゲルが一部のペプチドを壊さず捕獲していたことが分かった。NASAは今、地球外生命体探査に自信を深めている。