2024年3月14日放送 3:05 - 4:05 フジテレビ

アートフルワールド
〜たぶん、すばらしき芸術の世界〜

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(オープニング)
今回は…

昨年3月28日にはYMOとして世界を席巻すると、プロデューサーとしても活躍し教授の愛称で親しまれた坂本龍一さんが亡くなった。坂本さんが取り組んできた中にはアート表現もあり、ミュージシャンとしての存在感が強すぎるものの、総合的なアーティストだったと阿部一直さんは振り返っている。坂本さんは札幌国際芸術祭2014でゲストディレクターとなるなどしていて、今月10日まで「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」という展示も行われた。音楽の規則にとらわれず自由な表現に挑戦してきた坂本さんはヒポクラテスの「芸術は永く、人生は短し」という言葉を引用する姿も見せてきた。

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( アートフルワールド)
坂本龍一とメディアアート

坂本龍一トリビュート展は10組のアーティストが参加した物となっているが、坂本さんがダムタイプとコラボした「Playback 2022」という作品もある。レコードを展示したものとなっていて、ダムタイプは演劇や芸術など異なる領域の出身者によって結成されたアーティスト集団であるとともに、坂本さんも2022年から参加してきた。この作品は世界16カ国のアーティストに坂本さんが声をかけ、フィールドレコーディングされた音源で地図の形をした音溝は実際に再生できるのが特徴となっている。コロナ禍で自宅待機が求められる中での試みとなっている。販売された「Playback 2022 Art box」には、展示されていない坂本さんの手掛けたレコードも入っているのだという。

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ダムタイプとしても活躍する高谷史郎との共作「IS YOUR TIME」は東日本大震災のために被災した高校のピアノには自動演奏装置が取り付けられ、世界中の地震のデータと同期して不規則な音を鳴らす作品となっている。そして、トポグラフと呼ばれる独自の撮影方法で撮影した写真「Piano 20110311」が今回の展示では見られる。「IS YOUR TIME」に使われたピアノは綺麗に掃除されず当時の爪痕を表現したものと見られる。高谷さんは「東日本大震災で被災したピアノとの出会いは坂本さんにとって特別な出来事でした。」「坂本さんの作品のモチーフであるこのピアノの記録と記憶を、今回のトリビュート展で展示することは意義のあることと考えました。」とコメントしている。そして、坂本さんは「振り返ると、ぼくはこの頃から、作曲面でも五線譜のルールに縛られない方向へと舵を切っていきました。」と綴っていた。美術のフォーマットを使い音楽の形式を変えて新しい視点を作ろうとしていたのではないかと蓮沼執太さんは話している。

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坂本さんがインスタレーションアートに足を踏み込んだのは2007年のことで、9つの水槽を空中に浮かべた作品「LIFE—fluid, invisible, inaudible...」が展示された。阿部一直さんは坂本さんを起用した理由について、坂本さんはアートへの造形もあり教授と呼ばれるようにあらゆるジャンルを知る人間だったことがあると紹介した。坂本さんは1999年には「LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999」という作品を高谷さんとともに手掛けていて、想像をインスタレーションにしたらぜんぜん違うものが生まれるのではないかと考えたことがあるという。阿部さんはアメリカ同時多発テロ事件を坂本さんがニューヨークで経験した事も踏まえ、知識をオペラと違う文脈でやってもらおうと考えたのだという。1カ月にわたり山口に滞在した坂本さんだが散歩をしているだけでどよめきがあったといい、坂本さんが住み込みで創作を行っていた部屋は常にお香が焚かれていたという。坂本さんは水へのこだわりがあったといい、超音波の波長で水は霧となり映像がここに投影されるという仕組みとなっていた。オペラ「LIFE」の素材と新たに制作した素材を組み合わせ、約400ものシーケンスからなる映像と音を無限に変化させる作品となっている。高谷さんは「坂本さんは、自然や環境にとても関心を持っておられました。 「水」は、その自然環境の重要な要素の一つであり、地球上の生命にとって必要不可欠な物質で、坂本さんとの作品制作で繰り返し取り組んだ素材です。」と振り返っている。坂本さんは山口県の野田神社を使った「LIFE–WELLインスタレーション」も展示している。阿部さんは晩年の坂本さんについて、「async」は物質をこすり合わせることで音が上がるなど、無から有が生まれることを表現していた、減衰してゼロになることにもこだわりがみられ、氷がきしんで割れる音をフィールドレコーディングしに行くなど電子音よりも物質の音にこだわるようになっていったと振り返った。坂本さんは「五線譜は、音楽が時間芸術であるという約束のもとで、便宜的に編み出されたものです。」「インスタレーション作品を発表するのは、やはりその規制から逃れたい、という願いと深く関係しています。」と綴っている。

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自然物をあるがままの形で見せる芸術運動「もの派」の中心作家の李禹煥さんの坂本さんの最後のオリジナルアルバムジャケットの原画、ドローイングが初展示された。

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坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディアでは過去作から新作まで10組のアーティストが参加した。関わりとあった作家たちのスペースで中央に展示されたのはグランドピアノが印象的なそよぎ またはエコーである。畠中さんらは人がいないのに鍵盤が動くには魅力を感じるなどと話した。坂本さんがこの作品のために提供した楽曲を自動演奏するピアノで札幌国際芸術祭2017で展示されたインスタレーションを再構築した作品である。

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映像メインのスペースでは人間では感じることのできない電磁波をセンサーで感知し可視化波長化するセンシング・ストリームズ 2023-不可視、不可聴は鑑賞者は手元のコントローラーで周波数を合わせて東京初台に飛び交っている電磁波を感じられる。坂本さんとともに作品を作ったのはキュレーターも務めた真鍋大度さんである。札幌国際芸術祭2014で発表され、世界各国で展示されるたびにアップデートを重ねてきた。各作品の音が干渉しあう会場内はピアノやノイズなど展覧会の音を1つの作品として鑑賞できるなどとしている。

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センシング・ストリームズ 2023-不可視,不可聴ライゾマティクス初台(東京)坂本龍一札幌国際芸術祭 2014

坂本さんの音のプログラミングを担当してきた濱さんは音作りについてお客さんも自由に音楽を楽しめる作品作りをしている。見えないものや聴こえないものをどうやって見たり聴いたりするかが坂本さんが一番楽しんでいたところだとした。ピアノを弾く指のように電磁波などを登場させる仕組みになっている。坂本さんは誰よりもシンセサイザーに詳しくジャッジも速い。真鍋さんはトリビュート展で新作を発表した。

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「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」。過去作品やそのアップデート作が並ぶ中、キュレーターの1人である真鍋さんは新作を発表。真鍋さんのキュレーションで、404.zeroやStrangeloop Studiosなど最先端のアーティストたちによる新作が集まった。そして真鍋さんの制作した新作は「《Generative MV》」。グリーンバックで撮影された映像素材にAIが生成した背景CGをリアルタイムで合成していく作品である。鑑賞者がテキストを入力すると、背景が自動生成できるという。そんな真鍋さんを阿部さんは「アプローチのアート」と呼ぶ。新しいものに挑戦する坂本さんのスピリットを、真鍋さんが継承していると話す。

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404.zeroBLACKPINKRyuichi Sakamoto:Playing the Piano 12122020The Sheltering Sky - remodel《Generative MV》カイル・マクドナルドケンドリック・ラマーザ・ウィークエンドストレンジループ・スタジオファレル・ウィリアムスフライング・ロータスライゾマティクスレゾナント・エコーズ坂本龍一坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア堀井哲史

様々な人とコラボしていた坂本龍一さん。それでも坂本さんの作品である点はぶれず、そこがすごいところだと真鍋さんは言う。そしてトリビュート展をめぐった3人のアーティストは、それぞれ「これからどうしますか?という印象を受けた」「彼のいっぱいやりたかったことがまだまだあるんだな、というのがすごくわかる展示だった」などとコメント。常に新しい音楽を追い求めた坂本さん。最晩年を綴った著書は「それでは、ぼくの話はひとまずここで終わります。”Ars longa, vita brevis.”」という言葉でしめられていた。

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