2023年10月5日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【現代のプラントハンター「人々を魅了する」驚きの仕事術】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿
教会の屋上がジャングルに “風雨代わりな男”の正体とは?

東京・青山には元々青山ベルコモンズという施設があった。三年前に建て替えられ、複合施設が開業した。4階には、カジュアルダイニングがあり人気のレストラン。地下駐車場には、トラックから大型の植物が降ろされていたが運ばれたのは屋上のテラス。夜は青山グランドホテルのバーになるという。その主役になるのが植物。建築物には手を付けずに植物だけでどこまで変わるかチャレンジをするという。そのチャレンジを託されたのは短パンにビーチサンダルという出で立ちで現れた男。植物で商業施設などの空間づくりを行う。市場に出回っていない植物を世界各国を巡って自ら探し出し輸入している。時には命をかけて植物を取りに行き、その姿にプラントハンターと呼ばれているのはそら 植物園代表の西畠清順。西畠の手にかかればシンプルだった空間も50種を超える世界中の植物で溢れた大都会のジャングルへと姿をかえる。西畠を起用したのはイベントプロデューサーの小橋賢児さん。

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THE AOYAMA GRAND HOTELTHE BELCOMOそら植物園シャンピニオンサラダバシュラングラッセ青山ベルコモンズ青山(東京)

千葉県・房総半島に西畠の姿が。そこは新たにオープンするリゾートホテル。目玉は緑に囲まれたプールで施設全体の植物選びから、デザイン・空間づくりまでを任されたという。植物の姿形は一つ一つ異なり、西畠はその個性を顔と呼び見る人に最大限伝わるように配置する。そのためになかなかプラン通りとは行かないという。この日は別の場所に植える予定だった木を移動させた。廊下の角のスペースにはプリンセスパームというヤシの木の一種を植えた。大きな木だけでなく、西畠は自然界に近い環境をつくる。大阪・池田市に西畠率いるそら植物園がある。植物の卸や造園だけでなく、空間デザインや設計まで一貫して請け負うのが特徴。それぞれ強みをもった40人近くの従業員がいるという。本社の裏に広がるのは植物をストックするための農場。東京ドームほどの敷地で1000種類ほどの植物をストックしている。大きな植物を海外から輸入するのは大変で、輸入には厳しい検疫をクリアするために土はすべて洗い流し根を切り落とす。枯れないように手を施し、コンテナ船で数ヶ月かけて運ばれてくる。農場での管理方法にもこだわりがあり、植物を鉢で管理している。輸入の際に弱った植物を回復させるためで地面に植えると客に届ける際には掘り起こさなければいけない。根を切るので枯れるリスクが高いという。さらに注文が入ればすぐに届けられるメリットがあるという。8月中旬に西畠は沖縄県にいた。仕入れのために植物の生産農家を訪ねた。

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そら植物園プリンセスパーム池田市(大阪)沖縄県鋸南町(千葉)
風変わりな“経営者”が登場 植物で客を呼ぶ!驚きの仕事術

沖縄の植物生産農家を訪ねた西畠。沖縄を代表するガジュマルは無数の根が横へ横へと平面に広がっていた。200万円で即決で購入したが他にも様々な植物を良いと思ったら次々に購入し、年間仕入額は1億5000万円から2億に及ぶ。仕入先は農家だけでなく民家にも。台風で倒れたトックリランは通常はまっすぐに伸びるが、倒れたことで幹の途中から何本の枝が出て空に向かって伸びていた。西畠はそれも購入し以外な場所に植えられた。西畠のもとには大企業からも続々と依頼があり、渋谷区のミヤシタパークをもっと植物の魅力あふれる公園にしたいと三井不動産から依頼があった。見せ方や育て方についてアドバイスを求めらっれた。一方でパナソニックエナジーでは工場の敷地に社員が一息つける植物空間を施工してほしいとの依頼をうけ、集客目的以外の相談も年々増えているという。

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そら植物園ガジュマルトックリランパナソニックエナジーミヤシタパーク三井不動産南城市(沖縄)沖縄県渋谷区(東京)

西畠は植物の値段について植物には相場があり、木なら大きさでこれくらいの値段というのはあるという。しかし買付する生産者の気分やその日の天気や湿度で値段が決まる部分もあるという。また植物も生き物なので大規模な開発になると設計図を提出するが木の表情はその時には見えないという。しかし生き物なので一本一本の木がどちらをむいたら綺麗なのか、喜ぶのか、誰と目が合うのかは大事だという。またそら植物園は輸入、卸、設計、造園まで一手に行っているという。西畠は大体の企業は分業で行われているが、自分にはその中から選ぶという発想は元々なく、植物の可能性に一切の制限をかけたいと思わなかったという。また植物の感情を読み解き、枯れないように配慮していると答えた。

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そら植物園
190種が共存!素敵空間 “台風で倒れた木”の活用術

千葉県のBOTANICAL POOL CLUBは緑に囲まれたプールが魅力のリゾートホテル。190種類の世界中から集めた植物が共存する空間を作り上げた。その中には沖縄で台風で倒れたトックリランもあった。客の目に入りやすいようにフロントロビーのすぐ横に植えたという。

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BOTANICAL POOL CLUBそら植物園トックリラン鋸南町(千葉)
「村上龍」と「食虫植物」運命を変えた2つの出会い

西畠は1980年に兵庫県で生まれた。実家は幕末から続く花と植木の問屋で、植物に囲まれて育ったが全く興味がわかずに高校まで野球一筋だったという。卒業後は海外で放浪の旅に出たという。その途中で運命を帰る出来事に東南アジアのボルネオ島を旅した際には山の中で巨大な食虫植物を発見した。それはオオウツボカズラ。その植物に興味が湧いたというが植物に興味がなかった自分ですらその魅力に惹かれ、そこに可能性を見出したという。これをきっかけに、一気に植物へとのめり込んでいった。帰国後に家業に入るもののバブル崩壊後の不景気で植物業界は冬の時代に。そんな時一冊の本と出会う。

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そら植物園オオウツボカズラボルネオ島

プラントハンターの西畠が植物業界に入り一冊の本と出会う。それが村上龍の13歳のハローワーク。世界中のあらゆる仕事を網羅し、わかりやすく紹介している。西畠はその本に掲載していたプラントハンターに目を留めた。その文に後押しされ、誰もやっていない職業で莫大な利益を有無可能性もあるがそのリスクも大きいなどと職業紹介がされていたがこの文に後押しされた西畠は珍しい植物で勝負しようと思い立った。そこで世界中の様々な場所で希少な植物を探し回った。そんな中スペインで出会ったオリーブの巨木。樹齢1000年ほどで、その存在感に圧倒された。日本で目にするオリーブはひょろっとした細い木ばかりだが、ヨーロッパには巨大なオリーブがそこかしこにある。2009年にはオリーブの輸入を決意し、身につけてきた知識や技術を総動員し輸送に耐えられるよう万全の手当を施した。こうした日本に運んだ20本のオリーブは全国の様々な施設に植えられ、訪れる人々を楽しませた。今年5月には東京・青山にオープンしたイデアルビルには西畠が輸入した圧巻のオリーブが。一階に入居するのはオープンと同時にやってきたインテリアブランドの店。そのオリーブにパワーを貰っているという。スタジオにオリーブの木が登場。樹齢100年ほどのもので西畠はオリーブは平和と繁栄の象徴で国連やオリンピック勝者のシンボルで縁起が良いという。また輸入する際には検疫に引っかかる場合もあったというが、海外でクリアしても日本で引っかかる場合があり、もう一度送り返す必要があり莫大な経費がかかってしまうという。

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13歳のハローワークTOM DIXON TOKYOそら植物園イデアルビルオリーブ青山(東京)

西畠は21歳になるまで植物には全く興味がなかったという。しかしボルネオ島で山登りをしていた際にいきなり地面から巨大な食虫植物が生えていて、その時に衝撃をうけ植物の面白さに気が付いたと答えた。しかしその後家業に戻るも不景気で仕事がない状態だったがそんな時村上龍の13歳のハローワークに出会い、心の支えになったという。その最初に゙紹介されていたのがプラントハンターだったというが、村上はなぜ一番前にこの職業を紹介したのか?については象徴的だったと答え誰も足を踏み入れない場所に入り、名誉と金のために植物を手に入れるが本当は自分が欲しかったものではないかと考えるとロマンチックな職業だと思ったという。西畠はさらにたくさんあるものでもない場所に持っていけば価値があると文面に書いてあったというが、これは商売の原点だと書いてあり、それがビジネスの象徴的な話だと思ったという。

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13歳のハローワークそら植物園
豊かな地球を取り戻す “植物ハンター”新たな闘い

フィリピンのルソン島にやってきた西畠は、海水と淡水が混ざり合うマングローブの林へ。100年前に比べマングローブの林野面で木が50%消滅してしまった。そこで西畠は豊かな緑を取り戻すために植林に挑むことにした。しかもただ植えるだけでなく、植林することでCO2を削減し、その分を排出権として販売するという。CO2を排出する企業はその権利を買うことで排出分を削減した事にできるという。しかしそこには課題もあり、マングローブが減った主な原因はエビの養殖や建築材の利用によって伐採されたこと。周辺に暮らす人々の生活にかかっているという。地域を潤うシステムを作り、早ければ来年にもスタートさせる計画だという。西畠は今欧米で特に叫ばれているのはカービンクレジットで何兆円のマーケットになっているという。地球を舞台に木を植えていこうという取り組みで、経済活動による地球への負荷へ軽減できると経営者は気づき始めているという。クレジットを発行し仲介、販売をしたり、森を管理するベンチャーを考えているという。また植物業界はきれいな花を咲かせるために農業や重油を使い、鑑賞用の植物はトラックで運び枯れたら捨ててしまう。リサイクルが0%に近い業界で家庭で買って傷んだものやオフィスでどうしようもない植物を引き取って再生し、東京にステーションを作る訳ありの植物の中で憩えるようなビジネスモデルを考えているという。

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命がけのハンティングに密着 新種“巨大植物”の正体とは?

フィリピンの秘境にある植物を探しにやってきた西畠。山頂付近に生えている植物を求めたどり着いた先には食虫植物。この山で見つかった新種を自らの目で確かめたいとやってきた。大きくて美しい個体だが、新種のネペンテス・アッテンポロギをゲット。その長さは32センチ。西畠はこの植物を使って世界でも類を見ないチャレンジを考えていた。様々な角度から300枚の写真を撮影したが3D素材にするという。NFTアートにし、地元政府と連携し利益の一部を保護活動にあてたいという。

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そら植物園ネペンテス・アッテンポロギパラワン島ビクトリア山
(エンディング)
編集後記

村上龍は今日の総括に子どものための職業図書で「プラントハンター」を1番目に持ってきた。ロマンチシズムを刺激されたからだ。国王などの要求に応え、はるか未開の地から、花の種や苗を持ち帰った。「今ではそういう職業は存在しない」と書いたのだが、現代の日本にいた。西畠さんは、ボルネオの高山で食虫植物の王と呼ばれる植物を見つけた。以来、世界中の中の木々・花々を、日本に持ってきている。スタジオで、桜が嫌いだと私が言い、嫌いなのは桜ではなく、桜に集まる人々だとわかった。植物に関して、西畠さんに嘘はつけない。とした。

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西畠清順
次回予告

カンブリア宮殿の番組宣伝。

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