- 出演者
- 松下奈緒
売上高9兆円を超える巨大企業・イオン。そのショッピングモールでは日本の総電力の0.8%を消費している。省エネの重要性が高まる中、イオンでは自然風を利用するなどして空調による消費電力を可能な限り削減している。さらに、自ら電力を作るという取り組みにも着手した。今回はエネルギー確保の工夫を続ける人々に密着。
- キーワード
- イオンモール幕張新都心千葉市(千葉)
オープニング映像。
今年4月に開業したイオンモール豊川。この建物は自然な換気が行えるように設計されており、自動で窓を開閉して空調を調節するなど最新のシステムも導入。これにより、エネルギー消費量を50%以下に削減している。さらに、館内のレストランで出た生ごみは粉砕し発酵させ、発生したバイオガスによる発電に利用。このバイオガス発電は施設の電気使用量のうち0.4%を賄っている。他にも駐車場にカーポート型の太陽光パネルを設置したり、冷凍ショーケースの入れ替えなど省エネへの取り組みは多数行われている。イオンは2040年までに店舗のCO2排出量を総量でゼロにするという脱炭素ビジョンを掲げており、その大きな理由となったのが相次ぐ異常気象だという。イオンのCo2排出量のうち9割は電力由来となっており、Co2排出量の削減にはクリーンエネルギーへの転換が必須だ。
この仕事を担当することになったのが渡邉博史さん。渡邉さんは千葉市役所の紹介で太陽光発電に注力しているという千葉エコ・エネルギーを探訪。この会社は太陽光パネルの下で野菜を育てることで、売電事業の傍ら農業も行っている。発電用地を紹介してもらった渡邉さんだが、さらに東京大学の研究室にも協力を依頼。太陽光発電では昼間に余っている電力があると聞いた渡邉さんはモールを訪れる利用客から電力を購入するというシステムを構築し、クリーンエネルギーの確保に一層の注力を進めた。
節電の取り組みは大手コンビニなどでも行われているが、中でもエネルギー消費量が多い飲食店では様々な工夫がなされている。丸亀製麺では時間帯に合わせて自動で火力を調整する茹で釜を導入し、電力消費量を30%削減しているという。
住みたい田舎に3年連続で選ばれた愛媛県西条市。豊富な伏流水を無料で利用できることや、地元のマルシェ「いとまち」などが人気の秘密だ。この「いとまち」を運営するアドバンテックは半導体製造装置の部品製造で世界トップシェアを誇る。さらに、2010年に開始した太陽光発電事業はもう一つの主軸となっている。会社を率いる石本さんは耕作放棄地に「いとまち」を建設したが、この施設は徹底的な省エネの工夫が施されている。
住みたい田舎に3年連続で選ばれた愛媛県西条市のシンボルとなっている「いとまち」。5月、このいとまちで実質エネルギー消費量がゼロのホテル「いとまちホテルゼロ」が開業した。ホテルの電力は屋根に配した太陽光パネルで賄うのだという。内部の照明はなるべくエネルギーを使用しないものを利用し、おしゃれな雰囲気となっている。さらに、宿の食事には廃棄予定の食材を利用して育てられた鶏の卵や地元産のネギが使われているという。
電気を地産地消する取り組みは各地で行われており、安曇野市では用水路に水力発電所を設置。東松島市では大型蓄電池や太陽光パネルを利用し、防災にも強い街づくりが行われている。
実質エネルギー消費量がゼロのホテル「いとまちホテルゼロ」では廃棄食材で育った鶏の卵と地元のネギを使ったエッグベネディクトなどの食事が人気。一方、このホテルを運営する石本さんが最も注力したのが大量の蓄電池の整備。災害時でも3日分の電力を確保できるように数億円をかけて整備したもので、裕二には商業施設や周辺住宅への送電を行うという。
「いとまち」の取り組みは他の自治体からも注目を集めており、高知県の黒潮町長は自らいとまちを訪問。黒潮町は南海トラフ巨大地震で最も大きな被害を受けるとされている自治体で、いとまちが掲げるエネルギーの自給自足は新たな街づくりを考える上で非常に重要なのだという。こうして、黒潮町といとまちは協力することが決まった。
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2023年6月2日(22:00)