2023年12月19日放送 22:00 - 23:00 NHK総合

ハルカカナタ
フランス マダムの幸せレシピ

出演者
綾瀬はるか 
(オープニング)
今回は・・・

私が旅に持ってきたのは1冊のノート。中はまだまっさら。これから世界をめぐり、そこで出会った人々がどんな暮らしをし何を大切にしているのか書き記していく。きっと人生を豊かにする幸せのヒントでいっぱいになるはず。旅をするのは私、綾瀬はるか。綾瀬さんは「仕事ばかりというか仕事を一生懸命頑張ってきて、仕事もすごく好きなので仕事一番でやってきた部分もあったが、だんだん年齢を重ねるにつれて自分の人生をどんな風に生きて行きたいのか考えてみたときにもうちょっと色んな世界を見てみたいなとか、自分がこうだと思っていた世界からさらにちょっと扉が開くと、さらに違う景色が広がっている瞬間を経験するともっと違う世界を知ってみたいという好奇心が増えている。」と話す。やってきたのはフランス。素敵なライフスタイルに溢れ私が住んでみたい憧れの国。今回めぐるのはパリから南仏・プロヴァンスまで。そこで出会うのは自分らしく生きる姿がかっこいい3人のマダム。しかも作っているのが私の大好きなものばかり。

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パリ(フランス)プロヴァンス(フランス)
(ハルカカナタ)
パリで見つけた暮らしの美学

旅に出たのは4月下旬。まだパリは少し肌寒かった。まずはフランスの暮らしを知る上で訪ねておきたかったところへ。それはアンティークショップ。古き良きものを愛するこの国にはアンティークのお店がたくさんある。私は雑貨は大好きだがアンティークはほぼ初心者。どれも素敵な食器ばかり。この店の食器や雑貨は19世紀半ばから20世紀初頭のものばかり。人々の暮らしの文化が花開いた時代だそう。素敵な店のご主人に色々教えてもらった。小さなバスケットにてんとう虫がついたものは女性が出かけるときに持ち歩いていた裁縫道具。これは「アール・ド・ヴィーヴル」を象徴するもの。当時はすべてが洗練されていて凝った作りをしていた。「アール・ド・ヴィーヴル」とは訳して暮らしの芸術。日常に工夫をこらし、美を見出すフランスらしいライフスタイル。その考えを人々は今も大切にしているそう。毎日を愛おしみ、楽しくするための知恵と工夫。これから出会うマダムは何を大切に生きているのかワクワクする。

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てんとう虫アール・ド・ヴィーヴルナポレオン3世パリ(フランス)
お菓子に秘められた幸せレシピ

さっそく1人目のマダムのもとへ。実は綾瀬さんが大好きなお菓子「タルト・タタン」を作っている。砂糖とバターでキャラメリゼしたリンゴが香ばしいフランスの伝統的なお菓子。そのマダムはタルト・タタンの有名なコンクールで2回も優勝しており「タタンの女王」と呼ばれている。やってきたのはパリから約100キロ離れたロワレ県にある小さな集落。家を訪ねると迎えてくれたのは女王のお孫さん。タタンの女王は御年86歳のマリーさん。マリーさんが愛してやまない夫のジャンさんは病気で横になっていた。サンルームで入口にあったジーンズを履いた植木鉢について聞くと「自分で作ったのよ」とのこと。マリーさんは「私のことはマミー・ポムって呼んでね」と言った。次に案内してくれたのはこだわりが詰まったキッチン。家族の絆を築いてきたのがマミーが作るタルト・タタン。子供たちに頼まれれば果樹園で栽培していたリンゴでどんなに忙しくても作っていたという。そんなマミーにタルト・タタンの作り方を教わる。

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タルト・タタンパリ(フランス)リンゴロワレ県(フランス)

まずはリンゴの皮むきから。専用の器具で皮を剥くだけではなく、さらに一気に実もカットできる。綾瀬さんも教わったとおりに次々リンゴをカット。バターはあえて有塩のもの。そこにグラニュー糖を加えてリンゴのキャラメリゼを作る。10人分を作るのにリンゴを18個使う。さらにリンゴの芯を先ほど皮をむいたリンゴの中に入れ、キャラメリゼするフライパンに逆さまに入れる。火加減を見ながら均一にきゃらメリゼする。ここでリンゴジュースで一休み。マミーは19歳のときに結婚。夫のジャンさんの果樹園を手伝い始めた。果樹園の経営は一筋縄ではいかず、天候不良でほとんど収穫できない年もあった。そんな時もマミーは持ち前の明るさで家族を支え6人の子どもを育ててきた。しかしある日、思いもよらない出来事が起こった。息子さんが1人、30年前にバイク事故で亡くなっている。亡くなった息子さんもいつも嬉しそうに食べていたというタルト・タタンは、誰かに教わった訳では無い。料理本などを見て試行錯誤して作り上げた。その味はやがて地域の人達に知られるようになり、コンクールで優勝するまでになった。タルト・タタンは実は失敗から生まれたお菓子。型に生地を敷かずにリンゴを焼き、後から生地を乗せたのが始まり。オーブンに入れて焼いている間にマミーが家族のお気に入りの場所に連れて行ってくれた。やってきたのは近くの林。ちょうど娘さんが夫・ジャンさんを連れてお花摘みに来ていた。仲が良い秘訣を聞くと「ケンカをしても怒ったまま一緒に寝ることはなかった。枕が解決してくれる」とのこと。

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タルト・タタンテッド・ド・モワンヌヒヤシンスマイタケリンゴ

タルト・タタン作りもいよいよ大詰め。焼き上ったタルト・タタンをひっくり返すと、逆さに入れたリンゴの芯がまるで本物のリンゴのように。最後に照りを出すためカリンのジュレをひと塗りすれば「タルト・タタン」の完成。近所に住むマミーのひ孫・友人らが集まっていた。先ほど積んできた花がテーブルに彩りを添える。みんなと一緒にいただくが、ここで衝撃の事実。マミーは甘いものが嫌いだそうで「私は食べない」とのこと。綾瀬さんは「タルト・タタン」をいただいた。綾瀬さんは「マミーが暮らしの中で大切にしていることは?」と聞くと「みんなとの友情・愛情。それが一番大切。デザートを作る喜びはシェアすること。私が食べなくてもみんなが喜んでいる事がわかるから、喜びを分かち合っていることになる」と答えた。マミーの掛け声でみんなで歌い始めた。綾瀬さんが感じたマミーの強さの秘密は、「マミー自身が愛するものがあるのが大きいと思う。旦那さんのため、お子さんのため、お孫さんのため、誰かに愛を奉仕してそれが返ってきてっていうのがすごくエネルギーになっている」などと話した。マミーのタルト・タタンにはパワフルに生きるヒントが詰まっていた。

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カリンタルト・タタン
チーズに秘められた幸せレシピ

南仏プロヴァンスへ。1年を通して温暖な気候でフランスの楽園と呼ばれる。訪れたのはランベスク。週に1度のマルシェが開かれていた。プロヴァンスで作られているヤギチーズ。2人目のマダムは娘さんとヤギチーズを売るクリスティーヌ・ジラールさん。毎年春に開かれるヤギ祭り。企画、運営を担当しているのがクリスティーヌさん。マルシェから車で10分ほどの牧場。チーズ作りを見せてもらう。チーズの元になるのがカード。酵素を入れて固めたミルク。カードを穴のあいたカップに入れていく。4日間かけてじっくり水分を抜いたらフレッシュチーズの完成。できたてを食べさせてもらった。孫のシルヴァンくんはヤギが大好き。クリスティーヌさんの夫のユーグ・ジラールさんはヤギを育てること、搾乳することを担当している。昔からヤギが好きで子どもの時からヤギを飼うと心に決めていたという。牧場を作ったのは2人が結婚してすぐの35年前。以来、少しずつヤギを増やし、今では60頭を飼う。子どもの時からの夢、ヤギとの生活を実現させたユーグさん。クリスティーヌさんは別の生き方を選ぶこともできた。結婚前は広告代理店でキャリアを積んでいた。ユーグさんの夢を一緒に叶えることに抵抗はなかったものの、ヤギの飼育やチーズ作りは素人、悪戦苦闘の連続だった。なれない環境でも広告業で培ったスキルを生かし新たな挑戦を始める。牧場の見学ツアー。多くの人にヤギの魅力を伝えようと奮闘してきた。ヤギの魅力を広めるために力を入れているのは料理の開発。クセが強く料理に使うのは難しいヤギチーズを活用してほしいと前菜からデザートまで様々なレシピを考案している。人生において大事にしているものについて綾瀬さんは「やりたいことをやって生き生きしているのはいいなと思う。目の前にいる人に愛情をあげられる人になれたらいいなって思う」などと述べた。クリスティーヌさんは「訪問してくれた人と心を通わせるそんな交流をしたい。別の世界にいるあなたが別の世界を発見してくれた。あなたはとても器用だし好奇心が強いことがわかった。好奇心旺盛ならあらゆることに興味を持ち、人の心にも関心が持てる」などと述べた。好奇心が幸せを引き寄せる。

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プロヴァンス(フランス)マルシェヤギヤギチーズのサーモン巻きヤギチーズのディップヤギ祭りランベスク(フランス)
精油に秘められた幸せレシピ

最後のマダムは雄大な自然の中で精油(エッセンシャルオイル)を作っている。プロヴァンスは世界有数の生産地で有名ブランドの香水の原料にも使われている。ジャッキー・ボワイエさん、エヴリーヌ・ボワイエさんは20年ほど前からこの集落に住んでいて、荒れ地を開梱し家も自分たちで建てたという。ここで季節ごとに様々な植物を育てながら精油を作っていて、精油を作る蒸溜所は息子とそのパートナーが守っている。このあたりに自生するヨーロッパアカマツを精油する。蒸留釜に蒸気を送り、精油のもとが気体となって上昇し、冷却して液体にし、液体を精油と水に分離させるまでが精油の工程。出来上がった松の精油は森の中にいるような爽やかな香りだそう。精油の使い方は、深めの器に松の精油を1滴入れる。次に熱湯を入れる。次に厚めの布で顔ごと覆ったら蒸気を深く吸い込む。これで風邪の悪化を防げるそうだ。エヴリーヌさんは山の恵みサクラソウを活かした昔から伝わる民間療法のひとつを教えてくれた。まず密閉容器にサクラソウ300gを入れる。次にアルコールをおよそ800ml入れる。3週間漬けて花と取り除いたら完成。何を大切に生活しているんですか?という綾瀬の質問にジャッキーさんは「大切なのは簡単さ。愛だよ。すべてを愛するんだ」と話した。

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ダマスクローズプリムラ・ベリスプロヴァンス(フランス)ヨーロッパアカマツヴェルドン渓谷
フランスマダムの幸せレシピ

”愛することが生きていく上で大事”だと語る綾瀬はるかは”丁寧な暮らしを積み重ねていきたい”となど話す。行きたい国と見たい暮らしはまだまだたくさん。次はどこへ一緒にいきましょうか。

キーワード
フランス
(エンディング)
次回予告

「ハルカカナタ」の次回予告。

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ハワイ(アメリカ)
(番組宣伝)
ファミリーヒストリー

「ファミリーヒストリー」の番組宣伝。

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