- 出演者
- 所ジョージ
オープニング映像。
浅間山北部に広がる群馬/嬬恋村の村を舞台に自然観察フィールド作り。前回の調査で、この森の木々は植生遷移によって復活したものであることが分かった。さらに今回は木を伐らない年輪調査を用いて調査。そして、自然観察園づくりを専門家に学ぶ。
法師人さんは「調べれば調べるほどまだまだいろんなことが分かってきて面白い」と話した。
森の年齢を知る手がかりになるのが木の年輪。寒冷地ではカラマツが最初に生える樹木になるため、カラマツの樹齢が森の年齢となる。切り株がなく木を伐りたくないため、東京農業大学の桃井准教授からお借りした成長錐という道具を使って年輪を調べる。ドリルを木に入れるため、木に傷は入るが大きな影響はなく調べられるという。カラマツを調べたところ、森の年齢は60歳だということが分かった。
スタジオで成長錐で年輪を調べた棒を紹介。成長錐で開いた穴は1年で覆われるという。年輪の間隔でその年の気候も分かるという。所さんは「たった60年であんな森になるの?」と驚いた。
60年前の森はどうなっていたのか調べるために嬬恋郷土資料館へ。そこで見つけたのが約80年前の写真で、木が生えていない草原の様子が映し出されていた。嬬恋村をよく知る小嶋さんに話を聞くと、かつては森はなく浅間山が見えたという。1960年代まではこの地域でも家畜を使った農業をしており、馬が食べる草を確保するために野焼きを行っていたという。このときにカラマツの若木なども一緒に燃えていたと考えられる。この森は240年前の噴火で環境がリセットされた後、60年程前までは牧草地として草原が維持され、その後人の手が入らなくなり森林化したとみられる。
嬬恋村では1960年頃にトラクターが導入され農業の機械化が始まり、同時期に自動車の普及が進んで馬の需要が減ったとみられるという。また、昔と今では見られる鳥の種類も変わったという。
観察園作りを学ぶため、自然環境の活用と保全活動を行っているNPO birthの久保田さんと舟木さんに案内してもらう。場所は東京北部にある巨大な自然公園「野山北・六道山公園」。かつては里山だったが産業廃棄物を捨てる場所として利用されるようになり、1973年以降に東京都が整備し公園として再生された場所だという。いきものの森との共通点を見せてもらう。
まず訪れたのは再生された湿地。2年前まで乾燥していたが大規模に掘削して湿地を再生。陸地と水辺をつなぐエコトーンがあると生物多様性が高まるという。湿地に生えている植物は埋まっていた種が勝手に発芽して広がったもの。よみがえった植物の中にはヒメミズワラビなど珍しいものも。
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- ヒメミズワラビ
続いて森林整備を学ぶ。公園にはハンノキ林がありミドリシジミが発生しているが、ハンノキは高く伸びミドリシジミは上の方にしかおらず観察がしにくいという。そこで、ハンノキを若返らせミドリシジミを観察しやすくするため、ハンノキの間伐を計画しているという。自然に生えている木々であっても人の手を加えることで多様性を高めることもできる。
最後は観察路を作るための工夫を学ぶ。ポイントは動物の隠れ場所をなくさないため周遊させないこと、エコトーンを壊さないこと。
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- サンタ・ロサ国立公園
法師人さんは「嬬恋の森でも土を掘り返したら草原だった頃の植物が生えてくるかもしれない。実験が楽しみ」と話した。
秋の嬬恋村には様々な植物が実をつけていた。Tokyo Bug Boysと武石さんは図鑑を見ながら、ツリバナやツノハシバミなどを観察した。
「所さんの目がテン!」の次回予告。
TVer・Huluで配信!詳しくは番組HPへ。