2024年4月20日放送 19:30 - 20:15 NHK総合

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜
約束の春 〜三陸鉄道 復旧への苦闘〜

出演者
有馬嘉男 森花子 金野淳一 望月正彦 筒井光夫 
(オープニング)
約束の春 三陸鉄道 復旧への苦闘

13年前、三陸鉄道は津波で線路も駅舎も流された。だれもが廃線を覚悟したが、人生を懸けて抗った者たちがいた。住民と建設会社を巻き込んだ悲願のプロジェクトとなった。

キーワード
三陸鉄道
オープニング

オープニング映像。

オープニングトーク

今回は東日本大震災で廃線の危機に陥った地域の鉄道を守り抜いた人々の物語。三陸鉄道は連続テレビ小説 あまちゃんでも復興のシンボルとして描かれた。三陸鉄道、北リアス線と南リアス線の2つに別れて走行していた。しかし東日本大震災による津波、地震の影響で全路線の9割が列車が通れない状況になった。

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三陸鉄道北リアス線南リアス線東日本大震災連続テレビ小説 あまちゃん
約束の春 三陸鉄道 復旧への苦闘
約束の春 三陸鉄道 復旧への苦闘

岩手の三陸は昭和の半ばまで交通網の整備が遅れ、市街地へは船で1日がかりだった。1984年、住民の悲願だった三陸鉄道が開業した。1期生の金野淳一は地域に愛される始業だと大手企業の誘いを断って入社した。2010年、三鉄に新たな社長としておくられたのが岩手県庁職員の望月正彦だった。望月はあと2年で定年、最後の奉公で、学生の挨拶が響く鉄道を見守ろうと思っていた。しかし2011年3月11日、M9の地震が東北を襲った。三陸鉄道が走る沿岸部、200kmに渡り巨大な津波が家々を押し流した。津波警報が収まった2日後、望月は現場を訪れ愕然とした。島越駅は駅舎ごと消えていた。ふと足元を見ると、線路の雪に足跡が残っていたという。移動手段がなくなり線路を歩いて避難所へ向かう人々のものだった。望月は社員を集め「動かせるところから動かそう」と伝えた。責任者の金野は危険すぎると猛反対した。それでも望月は「今動かさなくて、何が地域の鉄道だ」と怒鳴った。震災から5日後2区間だけ列車が走った。一番列車に乗った中戸鎖沙織は「こんなにありがたいと思ったことはなかった」などと話した。復旧工事をしても最低6年はかかると見込まれた。過疎が進む沿線でこの機に廃線はやむを得ないという声が、望月には届いてた。ある日、列車が通らなくなった田野畑駅などを訪れた時、線路脇の雑草を住人が丁寧に刈っていた姿を見た。宮森秀幸さんは、自宅を流されたが駅に通い掃除を続けていた。タマ子さんは「三鉄は宝物なんです」と手すりを磨いていた。望月から最短でどこまで復旧をどこまで早められるか聞かれた、小田文夫は3年とはじき出した。望月は3年後、子どもたちの入学式までに全線を復旧させようと社員に決意を伝えた。

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スタジオトーク

震災からわずか5日で列車を走らせた判断について望月正彦は「線路を歩いている人たちがいっぱいいた。列車を走らせるべきだと思いました」などと話した。三陸鉄道の車両はディーゼル車で電気もつくしため災害対策本部を列車の中にしたという。

約束の春 三陸鉄道 復旧への苦闘

震災から半年後、国からの補助を取り付け復旧工事は本格的に始まった。72ヶ所が破壊された南リアス線は1区間も運行できていなかった。西松建設と熊谷組の力を借り一気に工事を進めることになった。熊谷組の所長は木村晃。木村は秋田出身で東北の仲間のために困難な現場に名乗りを上げた。被害はひどく作業量は見積もりの3倍。その現状を知り全国から200人の作業員が応援にかけつけた。食事係をかってでたのは、地元の女性たちだった。その1人、熊谷ヤス子は自宅は津波で壊れ仮設住宅から毎朝4時に仕事に向かった。ひときわ苦戦を強いられたのが、ど真ん中で分断された北リアス線の島越地区だった。この地区を任されたのは福島県出身で東急建設の筒井光夫だった。筒井は下水道工事を始め全国で縁の下の工事を担ってきた。1年後、筒井たちの工区は遅れ始めた。地盤改良が難しく橋梁の建設に入れなかった。予定より2ヶ月オ度遅れていた。更に余震や津波の心配も続いた。望月は銀行から融資を受け雇用を守ろうとしたが、賄えなかった。ネジ曲がったレールを磨き、ネットで販売。必死で給料の足しにした。

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スタジオトーク

三鉄は経営の方でも大変だった。運賃収入がなかったのでレールを磨いてネットなどで販売していた。島越駅を担当した筒井光夫は「重圧を感じてなんとかやろうと覚悟を決めた。家族も後押ししてくれて感謝している」などと話した。

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三陸鉄道島越駅
約束の春 三陸鉄道 復旧への苦闘

残り半年を迎えても、筒井たちの工事は2か月遅れだった。作業員の疲れもピークに達していた時、1人の女性が缶コーヒーを差し入れてくれた。早野さち子は島越に住んでいて、寝込むようになった夫を看病していた。知り合いの家はすべて流され、誰もいなくなった集落で、高台に住む早野の家だけが残っていた。早野さち子は最初、工事の騒音と振動が苦しかった。しかし毎日、働いている姿を見て気持ちが変わっていた。夫の鶴喜は工事の記録をカメラに収めていくことにした。写真を見せてもらった筒井は、粘り強く遅れを巻き返した。震災から3年目、3月17日、全ての線路が繋がった。1番列車に乗り込んだ金野、沿線のあちこちでは、おかえり三鉄と大漁旗がふられていた。

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1番印象的だったことを聞かれ望月正彦は「おかえりって言葉がずいぶん聞こえた。こんなに駅に人がいるんだって、すごく嬉しかった」などと話した。金野淳一は「ずっと人が手をふってくれたり旗があったり」などと話した。

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三陸鉄道
約束の春 三陸鉄道 復旧への苦闘

全線復旧から10年、三鉄は地元の足としてきょうも学生たちを運んでいる。筒井光夫は今、神奈川県にある沢井川にある水路トンネルを掘っている。金野淳一は入社40年目を迎えた。取締役になった今も現場に立ち続けている。2020年に入社した佐々木翔太は、三鉄が大好きで、復旧した列車で地元の高校に通った。

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三陸鉄道沢井川相模原(神奈川)
(エンディング)
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