2023年10月8日放送 8:25 - 8:50 NHK総合

Dearにっぽん
「ふたり 福島の海で 〜ある漁師親子の対話〜」

出演者
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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。今回は福島の漁師親子に密着する。

キーワード
福島県福島第一原子力発電所
(Dearにっぽん)
ふたり 福島の海で 〜ある漁師親子の対話〜

福島県新地町の釣師浜漁港、ここは福島第一原発から50キロの位置にある。7月中旬、常磐ものと言われる20種以上の魚が水揚げされていた。その中で評判なのが観音丸という船、船長の小野春雄さんは15で漁師になってから魚を穫ることに魅了され続けてきた。現在は息子の智英さんと漁に出る。彼もまた中学卒業後に漁師になり、現在は船の舵取りを任されている。8月8日、親子は処理水放出の時期を気にかけていた。本当に流すのかという春雄さんと流しながら徐々に理解を求めるのだろうと話す智英さん。福島第一原発の廃炉を行うために、有害物質を基準値以下に下げて処理水の放出を行うとしていた。風評被害に魚の市場価値の低下を懸念する春雄さんと、そのための対策はするんだろうと話し、現実を受け止めている。もちろん反対の立場ではあるが、そうなったうえで対策すべきだとする智英さんに、東日本大震災によって魚の価格が下落したのを忘れたのかと問う春雄さん。春雄さんは国の開いた公聴会で反対の立場を主張してきた。息子の智英さんもかつては処理水放出に強く反対していた。しかしネットで見た「漁師が反対すればするほど処理水が危険だとされてしまう」という意見を見た時に、その考えが揺らいだという。そして迎えた8月22日、福島第一原発の処理水放出が2日後にも開始されると報道された。怒りに声を荒げる春雄さん。春雄さんは国などと交わした「関係者の理解なしに処理水放出を行わない」という取り決めが破られたと憤った。智英さんはそれに対して「国は一般の漁業者には何も思っていない」と半ばあきらめのような言葉を口にする。しかし廃炉は進めるべきだとする智英さんは父に「「じゃあ代わりの考えはあるのか」と尋ねる。春雄さんは「だから困っているんだ」とさらに声を荒らげてしまう。智英さんは放出が決まってしまった以上、その先のことを考えるべきだと主張した。

キーワード
新地地方卸売市場新地町(福島)東日本大震災福島第一原子力発電所観音丸釣師浜漁港

長年この海で漁をしてきた春雄さん。震災で弟さんを亡くしている。弟さんが眠る海を汚されることが許せないのだと語る。民俗学者の川島秀一さんは、漁師さんたちに聞き取りをし海がいかに大切なのかを調査している。実際神聖視する人も多く、春雄さんは智英さんが生まれる直前に海に入り水垢離をしたという。川島さんはこうした海を神聖視する感情を無視できないとした。24日、処理水の放出が始まる日も小野さん親子は漁に出た。黙々と漁を行う小野さん親子。1時3分の海洋放出に対して、春雄さんは「自分を責める」と語る。その翌週、小野さん親子を訪ねる。この時点で魚の価格は下がっていないが、このあと何年かしないとわからないだろうと語る春雄さん。智英さんは周囲に声をかけ、魚の安全性を自分たちでアピールしなくてはと話し合った。春雄さんにもこの活動に加わってくれないかと頼む。処理水放出に関してぶつかることが多かった小野さん親子だが、春雄さんは「どうにか魚の価値を高める努力はしなくては」と理解を示してくれた。処理水放出には30年ほどかかる見込みだというが、それを見届けたいと春雄さんはトレーニングを始めた。お父さんの海に対する思いは理解できると語る智英さん、春雄さんは「漁師が海をキライになったら終わり、どんな事があっても守っていきたい」と話してくれた。

キーワード
小野常吉新地町(福島)
(エンディング)
次回予告

「Dearにっぽん」の次回予告。

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