2024年3月27日放送 23:54 - 0:44 NHK総合

NHKスペシャル
古代史ミステリー 第2集 ヤマト王権 空白の世紀

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古代史ミステリー 第2集 ヤマト王権 空白の世紀

最新研究でわかったヤマト王権の秘策とダイナミックな国家戦略に迫る。

古代史ミステリー 第2集 ヤマト王権 空白の世紀
倭の五王 絶大な力の謎 考古学の大発見

ヤマト王権のシンボルである前方後円墳は日本列島各地に拡大。ヤマト王権は史上初めて統一国家を築いた。宋書倭国伝に登場する倭の五王の実像は謎の包まれている。倭王の一人、仁徳天皇陵のスケールはピラミッドや始皇帝陵をも凌ぐ。奈良・富雄丸山古墳の発掘調査で前例のない盾の形をした銅鏡が見つかった。長さは64センチの巨大な鏡で、だ竜が彫られている。ヤマト王権が成立した日本列島で作られたと推定された。さらに巨大な鉄剣「蛇行剣」が一緒に埋葬されていた。当初は複数の剣が重なっていると考えたがX線撮影をした結果、巨大な1本の剣であるとわかった。中国の鉄剣のサイズは1メートル前後だが蛇行剣は2メートル37センチと、古代東アジア最大だった。奈良県立橿原考古学研究所の岡林さんはこれまでの常識を覆す技術革新が古代日本で起きていたと考えている。

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倭の五王 絶大な力の謎 驚異の技術革新

ヤマト王権が起こした鉄の技術革新について、実験で検証した。まずは4世紀の炉を再現するため穴を掘って木炭を燃やし、ふいごで風を送る。3世紀の炉と比べると高温の範囲が広くなっており、4世紀の炉では直径15センチで1000℃を記録した。ふいごの先端の羽口が鍵となる。大陸で編み出された仕組みが日本で改良されて4世紀に大型化。より大きな鉄の塊を熱して加工できるようになった。愛媛大学の村上教授は作りたい鉄器を作れるようになった、リーダーの言葉を実現するということでチャレンジしたと話した。応神天皇にあたるとも言われている倭王・讃は東アジア情勢に目を向けた。

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倭の五王×激動の世界 韓国 驚きの発見

2022年11月、韓国南部で高速道路建設のさなかに前方後円墳が見つかった。当初前方後円墳は朝鮮半島で生み出され日本列島に伝わったという説が浮上した。収められていた副葬品には棒をねじったような飾りがあり、これは倭国で流行していたものだった。韓国南西部の古墳からは倭国のものと似た甲冑や鉄の矢じりも見つかった。慶北大学の朴教授は葬られた人は日本で作られた装飾品を身につけており倭人の墓である思わざるを得ないと指摘した。

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倭の五王×激動の世界 東アジアの動乱

ヤマト王権は東アジアの動乱に巻き込まれ、重大な危機に直面していた。朝鮮半島では高句麗が勢力を拡大し新羅や加耶を圧迫。倭国と同盟を結ぶ百済を脅かしており、倭王・讃がこの危機に立ち向かった。石上神宮に伝わる七支刀には「百済」「倭王」の文字が記されていた。百済の王が倭国の王に救援を求める際に贈ったものと言われている。高句麗・広開土王の碑には倭国との熾烈な戦いが記されていた。当時倭国では鉄がとれず朝鮮半島からの輸入に頼っていたが、高句麗の勢力拡大によって産地が脅かされて危機に直面。鉄資源が確保できなければ権力の基盤を維持できないおそれがあったため、倭王・讃は存亡をかけて東アジアの動乱に身を投じた。

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倭の五王vs高句麗 知られざる激闘

高句麗側の記録によれば、倭軍は加耶諸国を拠点に進軍したとされている。高句麗軍は騎馬軍団を投入した。日本列島にいなかった馬は倭国の兵士にとって見慣れない存在だったと考えられる。ソウルに築かれた高句麗の軍事拠点・夢村土城では、馬の骨や歯が数多く見つかっている。馬は当時貴重な資源の一つで、国家として管理する対象だった。古代の馬に遺伝的に近いという在来馬を使って機動力を検証すると、最高時速は39キロだった。また騎馬軍団は馬に乗りながら矢を射る戦法を得意とした。京都府立大学の諫早准教授は今で言うと戦車や飛行機を持っているか持っていないかぐらいの力の差に直結すると指摘した。

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倭の五王vs高句麗 起死回生の外交戦略

危機に陥った倭王・讃は150年ぶりとなる中国皇帝への使者の派遣を決めた。東洋大学の森教授は倭王・讃が宋を味方につけようとしたのは東アジアを見据えたグローバル戦略だった、死活問題として外交が重要な時期だったと指摘した。この頃中国では北の北魏と南の宋が覇権を争っていた。高句麗が北魏と手を結べば宋にとって軍事的脅威となるが、倭国が高句麗を撃破すれば脅威は低下すると考えられる。倭国の王は皇帝から安東将軍の将軍をもらい、さらに朝鮮半島南部の軍事権も与えられた。

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倭の五王vs高句麗 逆転の秘策

雄略天皇にあたると考えられている倭王・武は別名をワカタケル大王といい、関東と九州の古墳からその名を刻んだ鉄剣が見つかっている。強力な支配体制を築いたリーダーだった。高句麗は長寿王が広開土王のあとを継いでいた。異なる古墳から出土した倭軍の甲冑を解析したところ、パーツが同じ形をしていた。朝鮮半島で発達した甲冑は高度な加工技術が必要で量産しにくいという弱点があったが、倭国では設計図を作るという手法を採用し量産体制を築いていたと考えられている。さらにヤマト王権には百済から馬を手に入れ、騎馬軍団の育成に取り組んでいた。最新科学で出土した歯を分析した結果、雑穀を与えていたことがわかった。健康で強い軍馬を育てようとしていたと考えられている。さらに歯のストロンチウムから生育地も特定すると、東日本だった。そこからヤマト王権の本拠地まで大移動していた。草原が広がる東日本の地の利を生かして馬の数を増やしていった。騎馬軍団を擁する倭王の軍勢について、日本書紀には敵を大いに破ったと記さている。

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史上初の統一国家 ヤマト王権の戦略

金井東裏遺跡からは鉄の鎧を着たまま亡くなった武人と3頭の馬の骨が見つかった。ヤマト王権は史上初めて日本列島の広大な地域を手中に収め、広域政権を樹立した。それを示すのがヤマト王権のシンボルである前方後円墳。前方後円墳は各地に広がり、地方の有力豪族が支配体制に組み込まれネットワークが築かれた。馬は移動手段としても用いられ、日本列島を結ぶインフラとなっていった。ヤマト王権は海外からの技術を改良し、国内の統一に生かしていった。富雄丸山古墳では2月、木製の棺の発掘調査が行われ新たな副葬品の青銅鏡などが見つかった。葬られたのはどんな人物だったのか、新たな古代史の謎が生まれた。6世紀なかばには朝鮮半島から仏教が訪れた。新たな知識が日本に広まり寺院が誕生すると前方後円墳は姿を消した。

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