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オープニング映像。
会社員のゆうたさんとこうぞうさんは熊本市内で一緒に暮らしている男性同士のカップル。出会ったのは22年前、こうぞうさんの一目惚れで付き合うようになり、進学や就職で別れた時期もあったが再び交際し自然に結婚を意識するようになった。婚姻届を提出したが市役所には受け取ってもらえなかった。今、日本の法律は同性同士の結婚を認めていない。地方自治体の中にはパートナーシップ宣誓精度を導入しているところもあるが、この制度では婚姻と同じ社会保障を受けることはできない。
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- 熊本市(熊本)
こうぞうさんとゆうたさんは同じ境遇で声を上げられない人のために国を相手に裁判を起こした。裁判の争点は同性婚ができない今の日本の法制度が憲法違反にあたるかどうか。原告は今の状態は「婚姻の自由」や「法の下の平等」を保障する憲法に違反していると訴え、国側は「同性婚は想定されていなかったため憲法違反には当たらない」と主張している。
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- 福岡地方裁判所
ゆうたさんが学生時代にアルバイトをしていた「橙書店」は2人とって大切な場所。店主の田尻久子さんは同性同士の婚姻が認められないのは2人だけの問題ではないと感じているという。亡くなったゆうたさんの母親も2人と一緒によくこの店に通っていたという。ゆうたさんは「今生きているわたしの父とこうぞうさんのお母さんが生きているうちにふうふになりたい」と話した。
こうぞうさんの母親は「ゆうたさんがしっかりしているから心配はしていない。2人が幸せなら何も問題ない。国が認めてさえくれれば幸せになる人がもっとたくさん出てこられる」と話した。息子の恋人が男性だということもすぐに受け入れ、それからは家族ぐるみの付き合いが続いているという。亡くなったゆうたさんの母親も2人の関係を受け入れていた。
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去年6月、福岡地裁は同性カップルが結婚できる法律がないことは憲法に違反する状態と判断。国会に対しこの状態の解消に着手すべきとしながらも憲法違反とまでは踏み込まなかった。こうぞうさんたちは控訴した。
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- 福岡地方裁判所
こうぞうさんとゆうたさんは荒尾市の小学校で教職員向けの講演を行った。LGBTQ+の当事者は約10人に1人いるとされている。しかし、周りに明かせず追いつめられる人も。NPO法人によると自殺を考えたことがある当事者は6割以上に上るという。
2019年から全国で始まった同性婚訴訟。これまでに5地裁で6件の判決が出ている。札幌と名古屋では同性どうしが結婚できる法律がないことは憲法違反と判断。一方、東京の2件と福岡は憲法に違反する状態、大阪は合憲と判断が分かれている。3月14日、札幌高裁は婚姻の自由を保障する憲法は「同性どうしの婚姻も保障」と初めての判断をした。そして憲法違反だという判決を言い渡した。世界では今、37の国と地域で同性婚が法制化されている。一方、日本では国との裁判が続き法制化がいつ実現するか分かっていない。
「NNNドキュメント」の次回予告。