ガザ地区でネコカフェが人気となっているのには、かわいいだけではない理由がある。ガザ市民のほとんどが信仰するイスラム教では、ネコは穢れなき存在で「神聖な動物」とされていて、理由は預言者ムハンマドが大のネコ好きだったことにある。ムハンマドの言行録のハディースには「ネコに対する愛情は信仰の一部である」とするものがあり、ネコを大切にすることが推奨されていて、神聖なモスクへの立ち入りも許されているという。空爆が続くガザ地区では精神的な癒やしを求めてネコを飼う人が増加。ペットショップの店主は「経済状況は悪化しているにもかかわらず、ネコを求める客は途切れることがない」と話しているという。しかし、経済的な理由などでネコを手放さざるを得ない人も多い。そのような人々にもネコと触れ合うことで癒やしを与えるべく、ガザ地区にネコカフェをオープンさせたという。ネコカフェの店主は「ガザ市民に笑顔を取り戻してほしかった」と話している。
吉永さんは「ネコカフェに私たちが行くのとガザ市民が求めるものは違うような気がする。日々恐怖・悲しみに覆われた中、ほんのひとときネコと触れ合い笑える。このネコカフェはかわいいけど、悲しいという気がする」などと話した。末延さんは「言葉を持たない動物や植物を見ると人間は癒やされると同時に優しくなれるんだと思っている」と話した。