中国を訪問しているドイツ・ショルツ首相はきのう、習近平国家主席と首脳会談を行った。ドイツがGDPで日本を抜いて世界第3位になったことを踏まえ、習主席は「グローバルな視野を堅持し、協力を模索すべきだ」と呼びかけた。ショルツ首相も「EUの重要な一員としてドイツはEUと中国の関係の健全な発展を促進するために積極的な役割を果たしたいと考えている」と述べた。ただ、ドイツは去年7月に初の中国戦略を策定。過度な中国依存を減らす脱リスク=デリスキングを進めている。習主席はこの戦略を念頭に置いてか、「中国とドイツの協力はリスクではなく未来を想像するチャンスである」と語った。コロナ禍以降、ドイツは経済が低迷し去年の実質GDP成長率はユーロ圏主要4カ国の中では唯一のマイナス成長となった。中国がドイツとの関係を深める先には何を見据えているのか。中国問題に詳しい東京大学大学院の阿古教授は「西側諸国が一体となって中国に対抗することを恐れている。中国との経済関係が歴史的にも非常に強いところがあり、ドイツからすると中国の景気後退により大きな打撃を受けている側面もある。中国経済を徐々に復興させ、ドイツ経済もいい方向に導きたい」と話す。