日米両政府の合意で、日本人宇宙飛行士2人とトヨタ自動車などが開発する探査車が月に行くことが正式に決まった。日本が有人活動でのノウハウを蓄積できれば、将来26兆円に膨らむとも言われる月の経済圏の構築で存在感を発揮できる可能性がある。初の日本人宇宙飛行士の月行きは2028年以降となる。これまで月面に行ったことがあるのは「アポロ計画」での米国人12人だけ。順調に行けば、国民が月に降り立つのは米国に次いで日本が2カ国目となる。月は近年、南極付近で水資源の存在が示唆されている。十分な量があれば、生活用水として利用したり、電気分解で水素と酸素を取り出して、ロケットの燃料などに活用したりできる。コンサル大手PWCは2040年までに累計1700億ドル(約26兆円)の経済圏が月面で生まれると予測している。(日本経済新聞)