映画「月」は釜山国際映画祭のコンペティション部門に出品された。映画パーソナリティの伊藤さとりさんは「風化させてはいけない事件を思い出し自分ごととして考えるきっかけをくれる映画。実力派俳優たちの魂の演技は本当に必見」と評している。映画製作は故・河村光庸氏が石井裕也監督にオファーしたことから始まった。原作は辺見庸氏の小説「月」。石井裕也監督は「中絶」という要素を物語に入れた意図について、「自分の子どもが生まれてくるといった時にどうしたって頭にちらついてくるものがあった。健康な子どもじゃなかったらどうしようという不安。もちろん自分の理性としてこれはかなり強烈な差別意識だと理解している。でもこの不安、恐怖というのはもうあるものなんですよ」などと話している。事件全体の過程を描く映画ではなく、私たちに問いかけている映画として作られている。八代英輝は、法学部に行く人には是非観てほしいし、出演者が覚悟を持って作っていることが伝わってくるから観ていて違和感はなく自分自身勉強になったと語った。