認知症は推計で600万人以上。認知症やその疑いがあり行方不明となった人は、おととし1万8709人にのぼる。対策が難しいのは1人暮らしの高齢者。松端由泰さんは兵庫県神戸市で訪問介護を運営している。事業所を利用する約120人のうち、認知症やその疑いがある人は20人以上にのぼる。懸念されるのは行方不明のリスク。認知症と診断されている80代男性は介護サービスを利用しながら一人暮らしをしている。しかし去年夏、パジャマ姿で外を歩いているところを警察に保護された。見つかったのは自宅から10キロ離れた場所。警察が娘に連絡するまで居なくなったことに誰も気づかなかった。松端さんの母も認知症とみられる症状があり、9年前の12月には家を出たきり行方がわからなくなった。その5日後、自宅裏の倉庫近くで亡くなっているのが見つかった。