“馬から車”以来の大転換 解説「ガソリン車110年」

2017年9月13日放送 7:56 - 7:59 テレビ朝日
グッド!モーニング 池上彰のニュース大辞典

きょうのキーワードは「ガソリン車 110年」。イギリスやフランスがガソリン車販売禁止を打ち出した。国の政策として電気自動車を選択したのだ。これは実に110年ぶりの大転換になるかもしれない。いまから約110年前に移動の主役が馬車から自動車に変わった。その時と同じような変化が訪れている。しかも興味深いことに、当時もいまと同じような環境問題を抱えていた。18世紀後半、世界最大の都市だったロンドンでは馬車などを引く馬が5万頭いた。そこで問題となっていたのは大量の馬糞。タイム誌は「今後50年の間にロンドン市内のすべての通りは馬糞によって埋め尽くされるだろう」と予想したほどだった。この問題を一気に解決したのがT型フォード。ヘンリー・フォードが1908年に発売した。大量生産で価格が引き下げられた。
それまで高価だったガソリン車は世界中に普及し、現在も増え続けている。しかし、ガソリン車の排気ガスに含まれる二酸化炭素は温暖化の原因の1つとなった。そこで、電気自動車へとシフトする国も出てきた。この変化はエネルギー産業に大きな影響を与えるとみられる。ガソリン車が電気自動車に代わってしまうと、多くのエネルギー産業が深刻な打撃を受けかねない。さらに自動車産業への影響も見過ごせない。ガソリン車は約3万点の部品で作られ、たくさんの中小企業が関わっている。一方、エンジンのない電気自動車の部品の数は1万点以上も少なくなるため、多くの企業にとって打撃。110年ぶりの大転換は社会を大きく揺さぶる可能性を秘めている。


キーワード
タイムヘンリー・フォード北京(中国)ロンドン(イギリス)パリ(フランス)カール・ベンツ

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