ものづくりネットワーク大賞 いのち つないで
2021年、臨月を迎えた女性から病院に緊急の連絡が入った。パートナーから暴力を受け、妊娠を告げると関係を絶たれた臨月を迎えた女性。院長は駅まで迎えに行き、保護した。女性は将来子どもが希望した時に開封してほしいと、保険証のコピーなどを残して病院を後にした。赤ちゃんは特別養子組に向けた手続きが取られた。国内初の内密出産だった。内密出産では病院以外には、身元を明かさずに出産する。赤ちゃんは要保護児童となり、児童相談所が一時保護。病院は親を知る手がかりとして、母親の身分証のコピーや手紙などを保管。これまでに21例の内密出産が行われた。病院が内密出産を受け入れる背景には、孤立した母子と向き合ってきた経験がある。親が育てられない子を預かる「こうとりのゆりかご」を2007年に開設した。預け入れの半数以上が危険が伴う自宅や車での出産であると判明。ゆりかごに乳児の遺体が遺棄されたこともあり、院長は弁護側の証言にも立った。
