午後LIVE ニュースーン (特集)
戦後の大スター・越路吹雪さんが歌う「愛の讃歌」。フランス生まれ、シャンソンの代表曲として知られている。ことしのパリ五輪開会式でも歌われ話題に。ことしは越路吹雪さん生誕100年、関連イベントが相次いでいる。フランスの国立の文化施設で開かれている企画展では日本でのシャンソンの人気ぶりに注目。企画展主催者のベルトラン・ディカルさんは「私たちが慣れ親しんだシャンソンが日本で独自の歴史を歩んでいることが発見だった」と話した。フランス以外でシャンソンが根付いている国は日本だけなんだそう。日本のシャンソンの大きな特徴はオリジナルの歌詞を大事にしながらも自由に日本語に訳されていったことにある。同じ曲であっても訳詞家によっていくつもの訳が存在している。
東京都新宿区のシャンソンの生演奏を聴かせる店・シャンソニエ。日本を代表するシャンソン歌手の一人・クミコさんは、大切にしてきたシャンソンが歌い手やファンの高齢化に伴いこのまま消えてしまわないように自分にできることはないかと考えてきた。そこで始めたのが、先輩歌手たちを訪ね歩いてシャンソンを取り巻く変遷、歌にかける思いを聞き取ること。戦後新しい生き方を求めた当時の日本人にとって自由や人はどう生きるべきかを歌っていたシャンソンは憧れの存在だった。越路吹雪や美輪明宏などのスター歌手も生まれて、三島由紀夫や岡本太郎などの文化人からも愛されてきた。この日訪ねたのはシャンソン歌手・瀬間千恵さん。歌ってきたのは人生や愛の苦しみに寄り添う歌。シャンソンに傾けてきた情熱を話した。
シャンソン界は若手を育成する試みに力を入れている。次世代の歌手を育成するコンテスト「フェスティバルドゥシャンソン2024」。最優秀新人賞に選ばれたのは中国出身のWen Shu(文舒)さん。プロのシャンソン歌手を目指している。