NNNドキュメント’25 お天道様に顔を向けて~社会復帰の伴走者~
今年3月、覚醒剤取締法違反で4度目の逮捕され、執行猶予付きの裁判を受け釈放となった43歳の男性を湯浅は警察署まで出向き迎えた。男性から話を聞いた湯浅は男性に再犯しないように度々釘を差していた。湯浅は受刑者は色んな人が様々な方向からアドバイスや助言をもらって一緒に伴奏してもらうことで漸く社会復帰できるもんだと考えているなどと伝えた。高校入学後の湯浅は夜の街に繰り出すようになり、違法薬物にも軽い気持ちで手を出し、水商売の道を進んだ。それからの湯浅は薬物依存の日々を送り、30代で水商売の客と結婚し、安定した生活を過ごしたが、地味さはつまらなさからストレスを感じ、スリルを求めて万引きするようになり、4度の逮捕を経験し、懲役2年7か月の実刑判決を受けた。刑務所で刑務作業に励む中で湯浅は刑務所での教育のおかしさに疑問を抱き、自分のケースでは依存症が根底にあるものの実刑は刑務所に閉じ込めるだけに終わり、それで何が変わるのかと問いかけた。逮捕後に湯浅は本を読んで依存症への知識を高めたが刑務所でのそうした指導は一切なく、刑務所内での教育を変えたいと志し、ブログを始めた。ブログの読者に受刑者家族が多いことに気づいた湯浅は出所者とその家族を支える伴走者に成ることを決心し、2021年に碧の森を創設した。碧の森では受刑者との面会や手紙のやり取り、被告人の社会復帰の可能性を証言する情状証人を引き受けるなど孤立させない取り組みを行っている。