日本のチカラ 日本のチカラ
大道芸人の本橋さんは芸歴26年のプロの大道芸人。沖縄本島の中部沖縄市では3年前から2箇所の福祉事業所を運営している。Racucuruは発達に特性のある子どもたちの通うデイサービスで、自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害のある子どもたちを受け持つ。こだわりが強かったり友達作りが苦手な子、落ち着きがない子など、デコボコの発達の特性で学校生活ではうまくかないことも。親も子も心を楽にという思いでラククルとつけた。子どもたちも大道芸が大好きで、中でも道具を投げたりキャッチするジャグリングに夢中だという。民島愛翔さんは自閉スペクトラム症がある好きなことにはとことんのめり込むが人とのコミュニケーションが少し苦手。発達障害は神経発達症とも言われている。生まれつき脳に偏りがあり、得意なことと苦手なことが極端。本橋さんは体全体を使って遊んだり見る力を鍛えたりすることで情緒が安定し、コミュニケーション能力が高まると考えている。ジャグリングという遊びを通し神経の発達をサポートしているという。ジャグリングを始めて3年が経過するとその実力もアップ。するとジャグリング上級者を集めたRacucuruの座頭に。本橋さんと子どもたちは9月の楽来祭でお披露目することに。
楽来祭まで3ヶ月。この日、本橋さんはあるイベントへ。大道芸人はここでも人気もので、本橋さんの妻の永梨さんもアーティストでこどもの肌にに絵を描くフリーアートをしている。またその息子の本橋健さんはRacucuruのリーダーをしている。また本橋さん夫婦は沖縄本島から車で渡れる伊計島へ。そこには妻が手掛けた壁画が。それを夫婦で手直し。本橋さんは宮崎県出身で東京の路上で大道芸を学び20代後半で沖縄へ。沖縄でパフォーマンスをしていた本橋さんに永梨さんが一目惚れ。大道芸が二人を繋いだ。妻もまた一緒にRacucuruの運営を行っている。その毎日は賑やか。施設に通う島袋煌大さんもシガーボックスをイベントで披露する。煌大さんは自閉スペクトラム症をもち、小学校に入学した直後に新たな発達の遅れもわかった。読み書きが苦手な学習障害があると診断された。母はそんな息子をみて相談支援専門員の資格を取得。
大合芸人と絵描きやが福祉を志したきっかけは子どもがADHDと診断されたため。息子の居場所をつくりたい、子育てに悩む親を孤立させたくないと一年発起した。しかし、大道芸で笑顔を届けてきた本橋さんは心の奥底にある感情と戦ってきたという。厳格な父から逃れるように宮崎県を離れたという本橋さんは自分に対し否定的な部分も多かったという。4年前から週に1度近くの小学校を訪ねているという本橋さんは学級で過ごすことが苦手な児童に遊びや勉強を教えている。その中で自分の心が軽くなっていくのを感じたという。そして楽来祭を前に子どもたちは特訓している。民島愛翔さんは元気がないが、頑張りすぎてしまっているという。イベント当日、子どもたちが大道芸を披露した。