S-PARK 土曜のキャンバス
去年12月、史上2人目となる2階級での4団体統一王者となった。井上尚弥選手がボクシングを始めたのは小学1年、練習する父をみて憧れた。試合に出始めたのは小学6年のころ。史上初、高校生でアマチュア7冠を達成するも満足してなかった。父は独創的なメニューを次々と編み出し、強さのパラメーターをあげていく日々。自分の能力を客観視する井上選手の目はそうして培われた。一番基本的な練習のミット打ちにも秘密がある。父が予告なしに構える位置を変える。そこがポイントで全く違う動きが求められる。反応速度がモンスターの秘密の1つだ。実践で見せた驚異的なパンチがある。プロ3戦目の試合、相手はベテラン選手だった。パンチを放つ寸前まで狙いはボディだが、ガードに気づき狙いを切り替えた。顔を撃ち抜くまで0.3秒だった。10年後、歴史的な世界チャンピオンになる。振り返れば楽な道ではなかった。世界初挑戦は2014年。減量苦から動きが鈍り、最終ラウンドまでもたないと判断し打ち合いとなる。結果、TKO勝ちで王座獲得。目標を決めないということは限界を決めないということ。それが井上選手の歩み方。通過点は歴史の一歩。去年12月の4団体統一戦も同じ。強いモンスターを一番見たいのは井上尚弥なのかもしれない。井上尚弥はどこまでいくのかを質問した。