首都圏情報 ネタドリ! 独自調査 工事ができない 岐路に立つ“公共施設”
さいたま市では、入札が成立せず学校や複合施設などの公共施設の工事がストップする事態が相次いでいる。南区の学校の建設計画では、1回目の入札に参加した建設業者はゼロ。2回目の入札では予定価格を10%アップしたうえ工事期間を伸ばしたが、それでも入札はなかった。千葉県は県立銚子商業高校の校舎を大規模改修するため設計業務を委託する入札を4回行ったが、いずれも不調となっている。横浜市の建設会社社長は、自治体の予定価格が実態をかけ離れているとした。去年参加した小学校の体育館などの建て替え工事では入札価格は利益が出るギリギリの額だったが、自治体の予定価格はそれより2億円近く低い額だった。背景には想定を上回る資材の高騰がある。自治体の入札は見積もりから予算の議決などを経て1年後に初めて実施できる。その間の資材高騰のスピードに追いつかないケースが相次いでいる人手不足も深刻で。参加する入札の数を絞らざるを得ないという。
