堅調消費が鮮明に…デフレ懸念の行方は?

2023年11月28日放送 6:44 - 6:53 テレビ東京
モーサテ チャイ株Update

中国経済・マーケットの最新情報を上海からお届け。ゲストは東洋証券・奥山さん。きょうのテーマは「堅調消費が鮮明に…デフレ懸念の行方は?」。直近のマーケットを振り返った。奥山さんは「上海・香港ともに夏場以降は右肩下がりの相場展開で、ハンセン指数は先月24日に16,879ポイント、上海総合指数は23日に2,923ポイントとともに年初来安値をつけた。ただ、中国政府が先月24日に1兆元の財政出動を決めたことが好感されたほか、米中首脳会談を受けた両国の関係改善への思惑も絡み、マーケットは戻りを試す展開にある」と話した。奥山さんは来月の予想レンジを香港ハンセン指数で18,000~18,500ポイント、上海総合指数は3,100~3,150ポイントとし、「中国株は本来年末に上昇しやすいというアノマリーがあるため、強気見通しを示したいところだが、今年は材料不足ということもありハンセン指数は18,000ポイント、上海総合指数は3,100ポイントを回復しキープすれば御の字と見ている。年末に予定される中央経済工作会議を経て、来年の経済見通しや政策の方向性が伝わってくれば、先行き不透明感が払拭され、相場を下支えする可能性もあるとみている」と話した。
経済統計を振り返る。鉱工業生産は8~9月が4.5%、そこからわずかに上昇し4.6%。奥山さんは「全体はほぼ横ばいだったが、中には大きく伸びている分野もある。特に自動車製造業は10.8%のプラスとなり5ヶ月ぶりの2ケタ成長となった。また、半導体の生産量も34.5%プラスとなった。AIの向けの需要が増えたと考えられる他、5Gに対応したスマートフォンの新機種を投入したファーウェイ効果があった可能性もある。一方、オートメーション化の中心である産業用ロボットは17.7%の減少と振るわず、1~10月の累計でも3.7%減と前年割れとなっている」などと話した。続いて消費について。10月の小売売上高は7.6%のプラスと右肩上がり。商品・外食ともに好調。奥山さんは「去年はゼロコロナ政策の影響で消費が振るわなかったので、その反動でのプラスは想定内と言える。特に外食は去年9月~12月まで前年割れだったことを踏まえると今年いっぱいはプラス成長が続くと見ている。消費の底上げ役としては旅行分野に注目している。国慶節休暇の旅行は事前予想を少し下回ったという見方もあるが、人気観光スポットはどこも多くの客で賑わっており、業界のV字回復を強く感じた。また、ホテルの需要も大きく戻っている」などと話した。
モノ消費について。11月11日までは独身の日セールを行っていた。今年の総取引額は23兆9,106億円と金額は大きいものの伸び率は2%にとどまった。奥山さんは「かつては2桁の伸びが当たり前だったため、それと比べると勢いが衰えているのが現状。今年は割引率が控えめだった印象があり、市民の間から『普段のセールとそれほど値段が変わらない』という声もあった。商品別の売れ行きにも変化が見られる。アウトドア製品の増加は、コロナ禍を経てキャンプやピクニック需要が高まったことが背景にあるとみられる。食品・飲料はスナック菓子や飲料品のまとめ買いを周りでよく聞いたので、”普段使いの商品を少しでも安く”という心理が働いたとみている。これまでの貪欲な買い物スタイルから理性的な消費に移ってきたと言えるかもしれない。前年のCPIは食品がマイナス4%となったほか、自動車の値下げを受け交通機器がマイナス4.8%になったことで押し上げられたと思う。特に去年は飼料や物流コストの上昇で急騰していた豚肉価格が今年10月はその反動で30.1%下落した。デフレ懸念の声が多く聞かれるところだが、中国当局は一貫してデフレの存在を認めておらず、今月15日の国家統計局の記者会見でも『物価は相対的に安定している』とコメントした。全体的には食品価格の下落と自動車の値下げ競争に一服感があり、CPIのこれ以上のマイナス幅の拡大はないと思っている。ただ、景気の先行き不透明感から消費者の間で買い控えの動きが広まってくると、デフレ懸念は来年以降も続く可能性がある」などと話した。


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