ニュースウオッチ9 (ニュース)
新たな経済対策の裏付けとなる今年度の補正予算案。与党側は明日衆議院の通過を目指しているが、立憲民主党は今日、修正案を提出。国民民主党は与党年収103万円の壁の見直しの実現に向けた合意文書を交わした。補正予算案の採決を睨んだ駆け引きが繰り広げられた。立憲民主党の重徳政調会長は今朝、補正予算案の修正案を国会に提出したあと、取材に応じた。「政府の補正予算案は先に規模が決まっていて、本来入れるべきではない予算項目までてんこ盛り。」などと指摘。立憲民主党は宇宙戦略など緊急性の低い基金への支出が多いとし、政府拠出を計1兆3600億円あまり減額するとしている。
一方、能登半島の被災地支援のための支出が不十分だとして、予備費から1000億円を復旧・復興に使途限定し支出するとしている。明日、予算委員会で答弁に立つことになる立憲民主党。修正案の提出後、議員たちが集まり、準備を進めていた。立憲民主党が修正案を出すのは異例。野党が多数派となった衆議院で修正案を提出した背景について、重徳和彦氏は「政府への批判は必要だが、それに終始してはいけない。政府が足りないことには我々が主体的に法案も予算も修正案を作って国会で通す努力をする、これが責任ある立場、野党第1党としての役割」などと話した。その修正案について、立憲民主党は他党との協議を続けてきたが、単独での提出となった。他の野党の賛同をどう得るのか。「やりたいことは山程あるが、賛同してもらうことさえできれば大きな一歩になる」と話し、政府・与党に対し「少数与党で謙虚にやっていくというのであれば、我々も無理なことは言わないので石破総理が受け止めてもらわないと」などと話した。
その後、事態は大きく動いた。自民党と立憲民主党の国対委員長が会談し、立憲民主党の求めに応じる形で予算案の総則を変更し、修正することで合意した。予算案の総則に「今年度の当初予算に計上した予備費から1000億円を能登半島の復旧・復興に充てる」という趣旨の文言を新たに盛り込むことになった。こうした内容を反映させるため自民党が修正案を提出することになった。補正予算案の採決にどう対応するのか注目されるのが国民民主党。国民民主党は自民・公明両党と税制協議を進めているが、年収103万円の壁の見直しなどで協議が進まなければ予算案に賛成しないこともありうるという姿勢を示している。今日は3党の幹事長が103万円の壁見直しの実現に向けた合意文書を交わした。文書では「103万円の壁見直し実現に向けた控除額について、国民民主党の主張する178万円を目指して来年から引き上げるとしている。
また、ガソリン税の暫定税率について、時期は明示していないが廃止するとしている。これを受け、国民民主党は補正予算案に賛成する意向を示している。補正予算案は衆議院で賛成多数で可決される見通しとなった。国会では、今日も衆議院予算委員会での論戦。政治資金規正法の再改正を巡り、自民党が外交上の秘密に関わる支出などを対象に新たに設けるとしている「公開方法工夫支出」について、質疑。補正予算案の採決を睨んだ与野党の駆け引きは今日、一気に動いた。与野党は明日の衆議院予算委員会で採決した後、本会議でも採決することで合意。少数与党として迎えた国会でどう合意を形成していくのか、与野党ともに問われている。自民党が野党の要求に対し、なんとか折り合いを付ける形となった。