ニュース・気象情報 (ニュース・気象情報)
台風10号は九州を暴風域に巻き込みながら北上していて、九州では風が非常に強く吹き大分県と宮崎県、鹿児島県で線状降水帯が発生するなど大雨となっている。台風10号は午前8時ごろ、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸した。午前11時には熊本県天草市付近を1時間に15キロの速さで北に進んでいるとみられる。各地で風が強い状態が続いていて。長崎県の雲仙岳で午前9時すぎに33.2m、宮崎空港で午前9時半ごろに31.4mの最大瞬間風速を観測した。また、九州を中心に四国や東海など離れた地域でも暖かく湿った空気が流れ込み雨が強まっている。午前10時までの1時間には熊本県天草市に設置した雨量計で63ミリの雨を観測。午前10時までの48時間に降った雨量は宮崎県美郷町南郷で783.5ミリと8月の平年1か月分の1.4倍の雨量。
宮崎県、鹿児島県、熊本県、大分県、長崎県、愛媛県、静岡県では土砂災害警戒情報が発表されている地域がある他、宮崎県、鹿児島県、大分県では氾濫危険情報が出されている川もある。九州南部を中心に記録的な大雨となる恐れがあり奄美地方を除く鹿児島県や宮崎県では明日の午前にかけて、九州北部と山口県は明日の午後にかけて、徳島県、愛媛県、高知県では明日の夜にかけて線状降水帯が発生し災害発生の危険度が急激に高まる恐れがある。西日本では明日にかけて猛烈な風が吹く恐れがある。気象庁は午前10時半に奄美地方を除く鹿児島県に出されていた暴風と波浪の特別警報を警報に、鹿児島県薩摩地方に出されていた高潮の特別警報を注意報に切り替えた。暴風や土砂災害、低い土地の浸水、川の氾濫などに厳重に警戒する。
台風10号の接近に伴いNHKのまとめで午前11時までに鹿児島県で9人、宮崎県で30人、福岡県で1人、熊本県で1人の合わせて41人がけがをした。鹿児島市では昨夜、鹿児島港の岸壁で小型船に乗船していた60代の男性が海に転落し行方不明になっている。大雨の影響で川の水位も上昇していて、宮崎県は午前9時20分、宮崎市高岡町小山田地区付近で瓜田川が氾濫したと発表した。大分県宇佐市では市内を流れる駅館川が氾濫する恐れがあるとして午前9時35分、1万5712世帯2万7015人に緊急安全確保を出した。九州の7つの県では午前10時時点で合わせて25万5730戸が停電している。
空の便は九州や四国の空港を発着する路線の多くが欠航するなど影響が出ている。今日、日本航空は合わせて265便、全日空は合わせて173便の欠航が決まっている。九州新幹線は博多−鹿児島中央間で運転を見合わせている。西九州新幹線は今日の始発から終日運転を見合わせている。山陽新幹線は博多−広島間でおおむね午後5時ごろから順次運転を取りやめることにしている。交通各社は台風の進路によっては影響が出る日時や範囲が変わる可能性があるとして今後の情報に注意するよう呼びかけている。