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燃やしても二酸化炭素を出さず、次世代のエネルギーとして期待されている水素。まだ価格は高く、安全性の課題もあるが、これを克服しようという取り組みが進んでいる。4月、東京都内に水素の利用を推進するコンサルタント会社がレストランをオープンした。この会社が導入を進めているのが「水素コンロ」。水素は都市ガスより高いおよそ2000度で燃焼する。酸素と結合して水蒸気も生まれ、ジューシーに焼き上がる。都市ガスと水素で焼いた鶏肉の食べ比べコースを提供している。客の声を参考にしながら、将来的には水素コンロを家庭向けに展開したいと考えている。
水素を家庭に届けるためには、インフラの整備が課題。情報通信機器メーカーは、各地にある燃料電池車向けの水素ステーションから、電柱などを使って数キロ範囲の家庭に配給するための実証実験を進めている。水素を送るステンレス管を蛇腹状に加工することで、強風や地震での耐久性が高まるとしている。電柱と電柱の間をつなぐことで、万が一破損しても水素は空中に拡散するため、爆発を防ぐことができるという。家庭で水素を利用するのにも課題がある。ガス器具メーカーが開発した水素給湯器を紹介。これまでのガス給湯器で水素を使用した場合、炎を小さくすると水素の圧力が弱まり、炎がバーナーを通過して爆発を起こしてしまう。そこでバーナーの噴出口を小さく、出口の部分を複雑にして、圧力が弱くなっても爆発を防げるようにした。課題はコスト。政府は2030年に、水素の価格を今の半分程度に下げたいとしている。