クローズアップ現代 #5165 あなたも“歴史的発見”ができる!?シチズンサイエンス新時代
専門知識がない一般の人々が歴史的発見や科学的研究に参加することをシチズンサイエンスという。それが今、最新のデジタル技術によって新たな時代を迎えている。建設会社の社員、森本勝巳さんは未発見の山城を探している。専門家でも見つけることが難しいと言われる歴史書にも記載がない山城の可能性がある地形を44か所発見した。そのうち15か所は自治体により山城と確認。森本さんが使っている立体の地形図は飛行機から地面にレーザーを当て地表の高低差を記録することで作られている。航空写真では森に覆われて確認できない地形も、この地図では森の中の地面の起伏まで読み取ることができる。森本さんは自分が見つけた山城とみられる地形を専門家に見てもらった。森本さんは歴史書などから森長可の山城だと予想していた。誰が作ったかまでは特定できなかったが、専門家は山城であることは間違いないと判断した。
新潟県の佐渡島で石崎悠人さんが発見したのは全長33.5mの4世紀前半に作られたとみられる前方後円墳。今年、新潟県によって佐渡島で初めての前方後円墳と正式に確認された。前方後円墳はヤマト王権と深く関わる有力者の墓と考えられている。ヤマト王権はその成り立ちや勢力範囲など今も多くの謎が残されており、前方後円墳はその実像に迫る重要な手がかり。今回の発見により、ヤマト王権が佐渡島を拠点の一つとして東北地方に勢力を拡大していた可能性が示されたと専門家は指摘する。石崎さんが歴史的発見をできた裏には地形図の技術的な進歩があった。これまで国土地理院は5m間隔の地形データを公開してきたが、去年から1m間隔の詳細なデータを範囲を広げて公開するように。古墳の輪郭がはっきりと分かるようになった。
システムエンジニアの鈴木佑さんはAIに前方後円墳の形を学習させ、全国に眠る古墳を自動で探るシステムを作った。1200余の前方後円墳に似た形を発見。そのうち60ほどは未発見の可能性があることがわかった。その中の1つが秋田県北部の地形。古墳か偶然の地形かは調査が必要だが、前方後円墳の日本最北端とされる角塚古墳を超えヤマト王権の勢力範囲がさらに北に広がっていた可能性も出てきた。
