2023年9月16日放送 1:50 - 2:33 NHK総合

にんげんドキュメント
「ただ一撃にかける」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(にんげんドキュメント)
ただ一撃にかける

グラスゴーで剣道の世界大会が行われた。西洋にはないスポーツとして注目され今や世界300万人が稽古している。世界の挑戦に受けて立つのは本家・日本。過去11回の大会全てで優勝してきた。今回、大将を務めるのは栄花直輝選手。7月4日、世界剣道選手権大会が行われた。外国人選手の成長は著しく今度こそ日本が敗れるか伝統の強さで連覇するかが最大の焦点となる。会場にはエリザベス女王夫妻も姿を見せた。日本が旧知に追い込まれている男子団体戦。過去2回の決勝相手と接戦となり1勝差で逃げ切り今回も接戦が予想される。日本は勝つだけでなく模範となる試合をすることも期待される。5番目に戦う大将・栄花選手には日本の最後の砦として重い責任が課せられていた。男子団体戦が始まった。優勝するには6つの試合を勝ち抜かなければならない。初戦リーグの相手はフランス。日本は前4人が勝ち大将・栄花選手を迎えた。相手の足が止まったとき連続技で試合を決めた。結果は5-0で日本の勝利。

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エリザベス2世グラスゴー(イギリス)世界剣道選手権大会

日本が代表を最終決定した3月。外国勢を対抗するため日本は過去最多の6回の強化合宿を行った。この20年、世界の剣道界で剣道をオリンピック種目にすべきか巡り意見が分かれてきた。日本は反対の立場をとっている。合宿では改めて礼儀作法が指導された。代表選手たちは伝統を守るため常に勝つことが求められている。35歳の栄花さんはチーム最年長。激しい稽古を続けた体には故障がある。栄花さんは警察官である。災害救助などの任務に付きながら剣道のトップ選手として生活を10年以上続けてきた。世界大会への4回目の出場を打診された今回、辞退することも考えたという。2000年、全日本選手権大会で平成の超人と呼ばれた相手に勝利し全日本初優勝を果たした。栄花さんは優勝直後、今回の大会の候補選手に選ばれた。剣道生活となり家族との時間の時間が削られるが、考え抜き世界大会を目指す決断をした。

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すすきの(北海道)全日本剣道選手権大会勝浦市(千葉)

世界大会の団体戦。日本はベスト8に駒を進めた。力強い剣道で優勝を目指してきたドイツは日本人コーチの指導で自信を深めていた。過去2回、日本を瀬戸際に追い込んだのは韓国で新たな鍛錬に力を入れてきた。韓国選手には無類の強さを誇る剣士がいた。コーチも兼任するキム・キョンナム選手は団体戦では日本人選手に一度も敗れたことがない。今回、大将として戦うと噂されていたキム選手だが日本戦に集中するためかベスト8までの試合に出場していない。日本は準決勝まで勝ち上がった。相手はイタリア代表。栄花選手はここまで勝ち続けてきた。重圧の中で心がけていたことは勝ちたい意識を捨てることだった。イタリア戦も二本勝ちをする。気づくまでに勝つことだけを追い求めた苦しい時代があった。6年前、京都で行われた世界大会。栄花選手は初めて団体戦に出場した。しかし起用されたのは予選ひと試合で補欠に回され選手として価値を否定された屈辱の体験となった。周囲から信頼されていないことを痛感した栄花選手は実績を作ることに懸命になる。目標は全日本のタイトルだった。初優勝する前の年、平成の超人・宮崎選手と戦い敗れた。この戦いは勝ちにこだわってきた栄花選手の剣道を変えることになった。探すため誰もいない道場に通い、初心に戻り見つめ直そうと雑巾がけから始めた。少しずつ見えてきたのは勝とうとする未熟さだった。1年後、再び宮崎選手に挑み無心で打てたと感じる一撃で栄花選手は勝利し、日本の大将にふさわしいと認められた一本だった。

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グラスゴー(イギリス)世界剣道選手権大会全日本剣道選手権大会

世界剣道選手権大会 団体男子決勝を迎えた。勝ち上がったのは22勝3引き分けの日本、日本を一つ上回る23勝2引き分けの韓国だった。過去2回の大会で日本と韓国は一進一退を繰り返し大将戦で試合がついた。韓国の大将には予想通りキム・キョンナム選手が出てきた。1人目の試合は膠着状態が続くも日本がリードした。2人目が引き分け、3人目の試合は韓国が勝利し振り出しに戻る。4人目は引き分け、優勝の行方は大将戦で決まることになった。大将戦が始まり、決定打のないまま5分が終了し勝負は代表戦で決することになった。大会始めてのことだ。日本は栄花選手が出場することになった。栄花さんには世界大会で全力を尽くすと約束した人たちがいる。月1回指導する街道場の子供たちだ。小学生から剣道を習い始めた栄花さん。剣道を通して学んできたことを子どもたちに伝えたいと考えている。体の故障がありながら世界大会に挑むのは逃げない姿勢を大切にしたかったからだった。代表戦が始まった。時間無制限で行われ決めるか・決められるかの一本勝負となる。韓国も大将・キム選手に全てを託した。キム選手が栄花選手の竹刀を払い構え直した直後、栄花選手が片手づきで決め勝利した。栄花さんはついに仲間の選手とともに日本の12連覇を果たした。それはようやくたどり着いた終着点だった。栄花さんが出し切った剣道は勝ち負けを超えて見る人の心を揺さぶった。

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グラスゴー(イギリス)世界剣道選手権大会全日本剣道選手権大会
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

(番組宣伝)
3分ドキュメンタリー

3分ドキュメンタリー「にんげんドキュメント ただ一撃にかける」「お母さんに会いたい フィリピン・ムスリムの兄と妹」「熊を崇め 熊を撃つ」の番組宣伝。

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