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2022年8月。木村敬一はランニング用のシューズとウェアを選んでいた。木村敬一は生まれて初めてのハーフマラソンに挑戦するという。そして練習開始から2ヶ月で東京レガシーハーフマラソンに参加し、制限時間ギリギリで完走することができた。水泳のトレーニングは週5回で、最近は自分のバタフライの限界を超える挑戦をしているという。それは全面的なフォームの見直しだという。木村敬一の泳ぎの課題について専門家は、力の使い方が後半の失速につながっていると分析している。
効率的に力を使うために、木村敬一は星奈津美さんに協力を求めた。星奈津美さんはオリンピアンで10年来の友人だという。そこで効率的に力を使える手のかき方について指導した。
木村敬一はこうした模索を続ける原点には、人生への後悔があるという。視力を失ったのは2歳の頃だという。木村敬一はこれまでいろいろなことに挑戦してきたが、全盲だということで無意識に突き詰めることを諦めてきたという。そんな自分を変えたいと思ったきっかけは東京パラリンピックで金メダルを獲得してからだという。そこから限界を超えてもっと速く泳ぎたいと思うようになったと伝えた。そして障害のある人たちの可能性を広げたいという思いがあるという。
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去年8月。木村敬一はイギリス・マンチェスターを訪れて、パラ競泳の世界選手権に参加した。この大会で優勝すると代表が内定するという。しかし結果は2位だった。また課題だった前半と後半のタイム差は大きくなっていた。理由は以前の泳ぎに戻っていたからだという。練習の動きをレースのスピードで再現する動きが身についてなかったためだ。その後は基礎的な練習を徹底的にやりながら新たな課題にも取り組んだ。
2024年1月。パラリンピックイヤーの幕開けだ。木村敬一は神社で参拝し、その後はレースに向けての追い込みを行った。木村敬一の泳ぎは劇的に変化しており、効率的に泳げるようになっていた。
先月10日。木村敬一はパリパラリンピックの代表選考レースに挑んだ。木村敬一は自己ベストには及ばなかったが派遣標準記録は突破することができ、代表に内定することができた。また前半と後半のタイム差も縮めることができた。木村敬一は「よかったんじゃないかな」と感想を語った。またフォーム改造に取り組んだ1年について「やれてなかったことに着手できたいい機会だった」と思いを語った。
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