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オープニング映像。
本日の世界遺産はドイツ・アウクスブルクの水管理システム」。
ドイツ・アウクスブルクはロマンティック街道沿いにある街で最も古い街でローマ人が築いたのが始まりで大きく発展し黄金のアウクスブルクと呼ばれた。その発展を支えたのが水路。レヒ川にはおよそ670年前に取水ダム「ホッホアプラス」や「レヒ運河」が作られた。かつては木材などの輸送に使われていたレヒ運河の入口付近は現在カヌーのコースとなっている。主流から外れたアイスカナルも現在はカヌーコースと利用されているがかつては冬季に運河に入ってきた氷を誘導し川に戻す役割を持っていた。街に近づくと流れは穏やかになり街の人が水浴びなどをしていた。さらに進むと街に入っていった。水路網ができ街の中でも見え隠れしながら続いていく。
水路が地下へ流れていく部分がありその上には現在は市役所の一部として利用されているがかつては食肉市場の冷蔵庫として利用されていた建物が存在する。水路の水で地下を冷やす画期的なシステムとなっていた。アウクスブルクのメインストリートにはひときわ目立つフッガー家の邸宅が存在する。フッガー家は金融業で財をなし家の中まで水を引き込んでいた。また、別の場所ではフッガー家が無償で建てた集合住宅フッガーライが存在し施設の中心には噴水が存在するがこの水は運河の水ではない。
アウクスブルクのメインストリートには世界遺産に登録されている「ヘラクレスの噴水」が存在する。かつて、飲料水が貴重な時代に噴水からは飲料水が出ていて旅人を驚かせていた。実は運河とは別の水源が存在する。現在自然保護区となっている都市林には湧き水が湧いておりこの水を飲水として利用するため水道を引いた。立体交差点「ガルゲンアプラス」で水が混ざらないようにし水が地下へ流れるようにした。
水を通すために水道橋が作られた。水道橋は美しいアーチを描いており給水塔へと水が運ばれる。給水塔では地下から水車で動くポンプで最上階へ押し上げられ市内に供給された。塔の上には貯水タンクがあり10mの高さから水を落下させその勢いで水を供給させていた。当時の水道管は松の木をくり抜いたものを使用していた。富裕層が住むメインストリートには水道が引かれた。
ドイツにある歴史ある「ゼルケルバッハ水力発電所」は今も現役で発電している。1900年代には路面電車も水力発電で走るようになった。川と運河が交差する場所にある「ヴォルフツァーンアウ水力発電所」は7mの水位の差を利用して発電している。アウクスブルクでは水は白い石炭と呼ばれ今にいたるまで街を支え続けている。「アウクスブルクの水管理システム」は水利システムの先駆者として世界遺産に登録された。
世界遺産の次回予告。
ベスコングルメの番組宣伝。