2023年11月20日放送 0:25 - 1:25 NHK総合

君が僕の息子について教えてくれたこと

出演者
 - 
(オープニング)
オープニング

日本人の自閉症の少年・東田直樹が書いたエッセイ「THE REASON I JUMP」が世界中の人に読まれている。ノルウェーの出版編集者は、村上春樹、三島由紀夫と並び有名であることを語った。作家のデイヴィッド・ミッチェルさんには重度の自閉症の息子がいて、息子の感情がわからず、どう愛せばいいのかわからなかった。しかし、この本に出会うことでその答えを見つけることができた。自閉症の息子を持つ父親は「この本のおかげで息子を愛し、受け入れ、より良い親になれました」と語った。

キーワード
THE REASON I JUMPノルウェー三島由紀夫村上春樹東田直樹自閉症
君が僕の息子について教えてくれたこと
自閉症の作家・東田直樹さん

東田直樹さんは22歳になり、本格的な作家を目指している。千葉・木更津にいる直樹さんを訪ねる。自閉症は、状況の変化にうまく対応したり、対人関係を築くことが難しい、脳の先天的な機能障害と考えられている。直樹さんは回転するものや丸いものに惹かれ、よく窓から車のタイヤを眺めている。直樹さんはパソコンの前に立つと、自分の考えを表現することができる。自閉症の人が高い表現力を持つことは極めて稀なことだという。執筆中も数日前の記憶が甦り、自分の意志とは関係なく言葉が出てしまう。母親手作りの文字盤を使うと、他人と会話することができる。なぜ文字盤を使うとコミュニケーションを取れるのかという質問に対し直樹さんは「自分の忘れてしまいそうになる言葉を思い出せるからです」と語った。

キーワード
木更津市(千葉)自閉症

直樹さんは5歳のときに自閉症と診断された。言葉をほとんど発しないのにも関わらず、漢字などの文字に関しては抜群の記憶力をみせ、両親を驚かせた。直樹さんは想像力や執筆能力を養い、グリム童話賞の大賞を2年連続で受賞した。13歳のことに「自閉症の僕が跳びはねる理由」を執筆した。

キーワード
自閉症自閉症の僕が跳びはねる理由
自閉症の息子を持つ作家・デイヴィッド・ミッチェルさん

著書「自閉症の僕が跳びはねる理由」は、アイルランド・コーク州の作家デイヴィッド・ミッチェルさんの目に止まった。ミッチェルさんには、重度の自閉症を抱えた息子がいる。ミッチェルさんは理解不能な行動をとる息子とどう接していいかわからず、子育てに絶望していた。ミッチェルさんは「息子に怒りを覚えたこともあります。そんなことをしても事態は悪化するだけで何も意味もないのに…」と語った。ミッチェルさんは通販サイトで「自閉症の僕が跳びはねる理由」と出会い、息子とどう接していいかを教わった。ミッチェルさんは「息子が感情のコントロールを失い泣くのはこういう理由かと、大きな音を恐れるのはこういう理由かと、この本に出会って気付かされました」と語った。ミチェルさんはこの本を翻訳し、世界に広めることに努力した。

キーワード
コーク州(アイルランド)自閉症自閉症の僕が跳びはねる理由
2人の対面

ミッチェルさんは直樹さんに感謝の気持ちを伝えるため来日した。対面を果たしたが、直樹さんはいつものように外の景色に気を取られてしまった。ミッチェルさんはそのときの状況を、「私にできることは待つこと。ナオキ君に空間と時間を与えることです」と語った。ミッチェルさんが「ナオキ君は僕のヒーローです」と語ると、直樹さんは「誰かにとっての喜びになるのは僕にとってもうれしいことです」と語った。ミッチェルさんが直樹さんの怖いものについて問うと、直樹さんはいつも刺すような人の視線が怖いと語った。幸せな時間について問うと、「昔は自然と一体化した時間が幸せでした。今は家族で笑っている時や、僕の本を読んだ人たちから感想をいただけるときが幸せです」と語った。

キーワード
東京都自閉症

ミッチェルさんが息子に対してどうすればいいか問うと、直樹さんは「そのままで十分だと思います。お子さんもお父さんのことが大好きで、そのままで十分だと思っているはずだからです」と語った。ミッチェルさんは会談後、「直樹さんは視線をそらしてしまうが、何回か目が合いました。彼が私の魂をのぞき込んでいるかのような感動的でした」と語った。直樹さんは「僕のために誰も犠牲になっていないと、子ども時代の僕に思わせてくれたのが僕の家庭のすごいところです」と語った。

キーワード
自閉症
みんなの為に検査を受ける

杉山登志郎さんは40年近く、自閉症の研究に取り組んでいる。杉山さんは直樹さんを言語失行という状態であると診断し、脳の検査について説明をした。直樹さんが治療に繋がるのかと問うと、杉山さんは治療には繋がらないことを説明し、10、20年後治療法が見つかり、他の自閉症の人に役立つかもしれないことを説明した。直樹さんはみんなのために受けることを決断した。

キーワード
自閉症

検査をし異常がみられたのは、弓状束という神経線維の集まりであった。弓状束は言葉を話すブローカ野と言語を理解するヴェルニッケ野をつないでいるが、それがうまく機能していないことが、会話ができない理由とかんがえられる。杉山さんは自閉症スペクトラムについて説明し、患者の伸びている所はどこなのか考えることが今後の療育の中心になると語った。

キーワード
自閉症自閉症スペクトラム
自閉症の作家・東田直樹さん

直樹さんは「僕はきれいな桜を長く見続けることができません。それは桜の美しさがわからないからではありません。桜を見ていると、何だか胸がいっぱいになってしまうのです。繰り返す波のように、心がざわざわとかき乱されてしまいます。その理由は感動しているせいなのか居心地の悪さからくるものなのか、自分にもよくわかりません。わかっているのは僕が桜を大好きだということです」と綴った。

キーワード
自閉症
ノルウェー スコット・ドラークスホルトくん

ノルウェーのスコット・ドラークスホルトくんも自閉症の一人。アネッテさんも直樹さんの著書「自閉症の僕が跳びはねる理由」に出会い、息子の声が聞こえてくるようになり、意思を言葉にすることがなかったスコットくんが少しずつ胸のうちを開くようになった。スコットくんは動物が大好きで、馬に乗ったり、犬と戯れている。家の外には飛ぶことが好きなスコットくんが脚を傷めないようにトランポリンが置かれている。

キーワード
THE REASON I JUMPクリスチャンサン(ノルウェー)ノルウェー東田直樹自閉症自閉症の僕が跳びはねる理由
ニューヨーク ブライアン・ショアさん

マイク・ショアさんは自閉症を抱える息子のブライアンさんを治すために、自分の人生を捧げてきた。マイクさんは直樹さんの著書「自閉症の僕が跳びはねる理由」に出会い、本当の意味で息子を受け入れていなかったことに気づいた。息子との時間を楽しめばいい、自分たちが考えを改めることで、ブライアンさんの表情も変わってきたと感じている。

キーワード
ニューヨーク(アメリカ)東田直樹自閉症の僕が跳びはねる理由
東田直樹さん ニューヨークで講演

直樹さんは講演をするためニューヨークを訪れた。マイク・ショアさん夫妻もこの会場に訪れた。講演は直樹さんが読む原稿が英訳され、スクリーンに映されるという形で行われた。直樹さんは「子どもが一番望んでいることは、自分を受け止めてくれる場所と親の笑顔です」と語った。講演後、マイクさん夫妻が直樹さんのもとに駆け寄った。マイクさんは直樹さんに、「息子の声が聞こえる気がしました。33年間一度も聞けなかった息子の声でした」と気持ちを伝えた。

キーワード
ニューヨーク(アメリカ)ブライアン・ショア自閉症の僕が跳びはねる理由
デイヴィッド・ミッチェルさんと東田直樹さんの約束

デイヴィッド・ミッチェルさんは直樹さんと会ったとき、自閉症についての本を一緒に書くという約束をしていた。ミッチェルさんは「私の成功は息子が障害を乗り越えられた時だ。とても誇り高く、幸せな気分にしてくれる。誇りと喜びが波のように押し寄せるのを感じる」と語った。

キーワード
コーク州(アイルランド)自閉症自閉症の僕が跳びはねる理由
自閉症の作家・東田直樹さん

直樹さんは「成功からほど遠いように見える人の瞳にも、きっと美しい山が映っています。僕は自分の言葉を世界中の人に届けられた幸運に感謝し、さらに高い山を目指すつもりです」と綴った。

キーワード
自閉症
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。自閉症の君が教えてくれたこと、それは、世界を見つめるくもりのない目だった。

(番組宣伝)
プロジェクト エイリアン

プロジェクト エイリアンの告知。

グレーテルのかまど

「グレーテルのかまど」の番組宣伝。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.