2023年9月30日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
歌川国芳とアートな町・倉敷×林家たい平

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(オープニング)
今回は…

歌川国芳とアートな町・倉敷を紹介。

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倉敷市(岡山)歌川国芳
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
歌川国芳×林家たい平

岡山県倉敷はれんめんと受け継がれてきた町並みが奇跡のように残される。倉敷市の美観地区は、貿易と繊維産業で栄えた豪壮な邸宅や商家が軒を連ね歴史的景観として、多くの観光客を集めている。更に美術館が立ち並ぶ日本屈指のアートの町で、路地を一歩入れば、歌川国芳の作品だけを集めたUKIYO-E KURASHIKI/国芳館が。2021年に生まれたこの美術館は古い旅館を改装した。土足厳禁だがその理由は和室があり、国芳ファンの館長が個人的に収集した浮世絵が100点あまり。歌川国芳の魅力とはそば1杯の値段で購入できる身近な浮世絵に無限の可能性を秘めたことなど。その集大成が2階にあり、窓から街が一望できるが額縁に収まった絵画のよう。今日の作品の源頼光館土蜘作妖怪図は歌舞伎の当たり狂言で頼光と家臣の四天王が土蜘蛛を退治するという話だが、土蜘蛛の下で寝床の頼光がまどろむ様子が。四天王も囲碁に興じてやる気がない。背後では、もののけたちが二手にわかれ合戦を繰り広げている。この摩訶不思議なシチュエーションこそが国芳の大いなる狙い。江戸の昔から今日まで謎解きが行われるいわくつきの傑作。

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歌川派の広重の雨は情緒と品があるが、それに対し国芳の夕立は集中豪雨の土砂降り。さらに広重は東海道五十三次之内 日本橋 朝之景で晴れ晴れとした爽快な日本橋の絵を描いたが国芳は本朝名橋之内江都日本橋略図は人がすし詰めの状態で日本橋を描いた。江戸城のお膝元の日本橋にほど近い場所で寛政9年の本銀町の染物屋に生まれた国芳は幼い頃から絵がうまく、15歳で歌川豊国の門下に。しかしそれから鳴かず飛ばずで23歳頃の浮世絵師番付では、行事の一人は葛飾北斎だが、最高位の大関は歌川豊国。国芳は前頭27枚目だった。発奮した国芳は死にものぐるいで画報を研究し31歳の時に江戸っ子の人気をさらう。

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歌川国芳の通俗水滸伝豪傑百八人之一個は豪傑たちが画面狭しと躍動し、全身に彫り込まれたくりからもんもんで江戸っ子の荒ぶる魂を鷲掴みにしたくによしはヒット作を連発していく。 清盛入道布引滝遊覧 悪源太義平霊討難波次郎という作品は稲妻が走る縦横無尽のスペクタクルで特撮シーンのよう。平清盛が名所の滝で宴を開いていると、あたりは豪雨と雷鳴になり清盛の重臣が雷に打たれ爆死。頼朝の兄の源義平の怨霊が出てくる場面を描いた。金子信久は映画と同じような空間を浮世絵の画面を使い、空想的な光景を再現するかを考えたという。国芳はリアルな描写で特撮映画を先取りする浮世絵の可能堰を切り開いた。

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倉敷は日本屈指のアートタウン。そのシンボルが大原美術館。宝石業で倉敷の街の隆盛を築いた大原孫三郎は稀代の美術コレクター。彼が将来集めた西洋美術の名作から現代アートの傑作まで楽しめる日本を代表する美術館の一つ。江戸時代の米庫を活用し、昭和23年に開館した倉敷民藝館。民芸は大正末期に作られた言葉で暮らしの中で使用する丈夫で美しい品々のこと。懐かしい手仕事の美を再発見できる。また語らい座 大原本邸は国の指定重要文化財に指定されているが60坪の敷地にある蔵やはなれが一般公開されている。落ち着いた苔むす庭を眺めながらお抹茶もいただける。

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天保13年に七代目市川團十郎が事業所より江戸十里四方所払いにされた。芝居小屋は朝倉時裏へと強制移転となり、浮世絵の美人画や役者絵が禁止になり色数も制限されてしまった。老中の水野忠邦による天保の改革による措置で幕府は何熟した町人の暮らしに干渉し厳しく取り締まったという。歌川国芳の源頼光館土蜘作妖怪図が市中に出回ると人々は首をかしげた。土蜘退治は誰もが知る歌舞伎の当たり狂言だったが、国芳が以前描いた源頼光四天王土蜘蛛退治之図では源義平とその四天王の男たちが妖怪土蜘蛛を倒す迫力のあるシーンを描いた。この2枚を比べてみると緊迫と弛緩に。この絵は裏がありそうだと憶測を呼び、いわゆる風刺画のようで飛ぶように売れたが、お咎めを恐れた版元が自主的に出回った絵を回収して版木が刷れないように削ってしまったという逸話があると金子さんは語る。この絵が江戸町民に受けた理由を解説。腑抜けのような主人公の源頼光は時の将軍の徳川家慶で、四天王の一人は老中の庶民の天敵の水野忠邦と他のだらしのない男たちも江戸幕府の現役の老中たちであろうとされた。また妖怪でも鬼瓦の使用を禁止された庶民や目が大きな妖怪は市川團十郎、歯がない妖怪は噺家とされるが200件以上あった寄席が15件に減らされるという出来事が起き、妖怪は悪政に苦しむ人々だという。また国芳は新しい妖怪を生み出そうとし、伎楽面を妖怪にしたという。また土蜘蛛の体には陰影がついており、江戸時代影をつけるのは普通ではなく、影をつけると奇っ怪な表現ができ、ヨーロッパの技術を取り入れて新しい妖怪を作った。

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歌川国芳50歳の作品は荷宝蔵壁のむだ書。ご禁制の役者絵をわざと子どもの落書きのようなテイストに仕立て上げ大江戸のコンプライアンスを厳守していると主張しているかのようだという。そして63歳で死去した国芳。林家たい平は今日の総括に深い国芳に出会うことが出来たという。

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(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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