2023年11月5日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
超・人手不足時代 危機を乗り越えるには

出演者
曽我英弘 星麻琴 
(オープニング)
オープニング

今日は先月のNHKスペシャル「超・人手不足時代」と連動した徹底討論。この番組ではエッセンシャルワーカーを中心とした”これまでと違う”人手不足の実態に迫った。政府は人手不足への対応として設備投資への支援策などを盛り込んだ。課題解決を目指し担当大臣と専門家が議論。

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NHKスペシャルリクルートワークス研究所
(日曜討論)
コーナーオープニング

先月放送のNHKスペシャルで皆さんからの意見を募集したところ今朝までに352件の声が寄せられた。今朝の日曜討論は浮き彫りになった課題・寄せられた意見を踏まえて議論を交わす。

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NHKスペシャル
超・人手不足時代 危機を乗り越えるには

公共施設や住宅の塗装などを手掛ける都内の会社。業界平均を超える給与で従業員を募集しても思うように採用できず仕事の一部を断るしかない事態に直面している。さらに人手不足が同時多発的に発生する地域も。北海道・帯広市では公共交通・農業・宿泊・介護など複数の業界で人手不足が一気に顕在化。介護サービスの依頼を断るしかなかったり、バスの減便や路線の廃止に追い込まれたりするなど日常生活にも影響が現れ始めている。

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NHKスペシャル帯広市(北海道)
人手不足の現状・背景は

40代女性・介護職員から「危機的な状況です。人手が足りなくて利用者の入浴が週に2回しかできなくなっています。これ以上職員が辞めてしまうと入浴ができません」、50代男性・建設業から「現場で働く人は高齢になっており、このままでは近い将来、建設現場の工事に支障をきたす」との訴えが寄せられた。新藤氏は「人を確保するための賃上げが必要。今の態勢で事業を維持できるといった新しい省人化の投資や事業形態そのものを工夫していかなければならない」等と話した。広濱氏は「コロナ以前から人手不足は厳しくなっていた。特に建設業・介護業が非常に厳しい。地域的にもバラつきがあり、一番厳しいのは北海道・東北、次が九州・沖縄という形になっているのが現状」と話した。今野氏は「人手不足の背景には日本が人を使い捨てたり使い潰してきたということに慣れた経済構造を作ってきたのではないか。労働市場の仕組みのところで働き続けることが難しいというような状況が広がっていると感じている」等と話した。首藤氏は「労働人口は減少しているが、就業者数と雇用者数は減少に入っていないので、これから本格的な人手不足が訪れるだろう」等と話した。冨山氏は「社会構造を基本的には労働者にとって良い仕組みにしていかないと人手不足は続く。かつ思い切って色んな自動化が進むような仕組みを作っていかなければいけない」等と話した。新藤氏は「人手不足は増やすだけじゃなくて必要十分な事業形態を創ることと抱き合わせでやらないといけないと考える」等と話した。

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SARSコロナウイルス2
超・人手不足時代 危機を乗り越えるには

人手不足の打開策の1つが生産性の向上。旅館ではディジタル化を徹底、従来は人手が掛かっていた業務を効率化。それによって生まれた時間や経費を研修や設備投資に回し収益アップに繋げた。地方バス会社ではAIを活用して運行ルートを最適化させた。

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NHKスペシャル
人手不足対応 生産性の向上は/生産性の向上は 賃上げの実現は/賃上げの実現は 適正な価格転嫁は/「年収の壁」見直しは

経営共創基盤・冨山和彦は生産性を上げて良い労働者を確保した所が勝ち、労働生産性を高めれば企業も成長するし働き手もより良くなるなどと話した。中小企業家同友会全国協議会・広浜泰久は自動化・効率化できるような仕事は中小企業にはまわって来ない、非常に生産性を上げにくい側面があるなどと話した。新藤義孝は赤字の企業であっても賃上げして社員が安心して暮らせるようにする、赤字で賃上げして減税するといっても赤字だと税金を払っていないので企業が業績を転換して黒字化すればその分を繰越し控除するとう制度を入れているなどと話した。POSSE・今野晴貴は低賃金のままに使える構図が業態を変えることを阻んでいるなどと話した。冨山和彦は中小企業は能力のばらつきが大きい、新陳代謝を上げていくことも重要などと話した。

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中小企業家同友会全国協議会立教大学経営共創基盤

連合は来年の春闘では5%以上の賃上げをするという事が示され、新藤義孝は構造的賃上げは物価上昇率を超える賃金上昇をどう成り立たせるかであり、それには世の中が働きにふさわしい賃金を払う能力や経営体質を強化しなければならず同時にしなければいけない問題である等と話した。今野晴貴は日本は他国と比べて賃上げのペースが遅すぎであり、最低賃金は非正規の最下層だけでなく時給換算で労務単価を計算している企業もあるため大きな幅で影響がある等と話した。

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日本労働組合総連合会春季闘争
賃上げの実現は ”多重下請け”は/企業の”淘汰・再編” どう考える?

今野さんは「政府による対策も非常に重要だと思うが、最低のラインを上げていくことによって下請けの搾取構造も下から是正していく圧力が強まっていくはず。基本となる賃金がないと生きていけないところから、社会を作り直していくという発想があらゆるところにきいてくる」とコメント。中抜きが無くならない理由について、冨山さんは「自動化してしまうとホワイトカラーの人が減っちゃう。もう一つは取引関係がフェアじゃないということ」などと説明。また高賃金政策で払えない会社は淘汰された方が良いと指摘した。一方広浜さんは「一社潰れることで、疲弊してる地域なんかだと生活できなくなってしまう。また同時に考えなければいけないのは働く場所がなくなること」などとコメント。首藤さんは冨山さんの意見に同意しつつ「淘汰を考えなければいけない。きちんと生産性を上げようと努力している企業が生き残れる環境を整備していくことが大事」と話した。

労働移動による働き手確保は/リスキリングは「雇用の流動化」は

政府は人手不足の対応を視野に労働市場改革をしいてリスキリングによる能力向上支援や成長分野への労働移動を円滑化させるとしている。広浜さんはリスキリングは大事だがメリットをイメージできないとした。製造業は一人一人の熟練度に依存している。新藤さんは他の会社に移動するだけでなく、自分の会社で身につけることも労働移動だとした。民間のシンクタンクの将来予測ではジムや販売など480万人が余剰となる。冨山さんは産業を飛び越えるケースもあるが同一業種内で生産性格差があり日本には妨げる仕組みがあるとした。首藤さんは労働移動をどう位置づけるかも変わってきていて、医療・福祉が最大の雇用の吸収場になり移動がしたくなるような生産性の高さ、賃金の高さなどを整えていくことが大事とした。今野さんは労働を増やしてもサービスの質の低下が問題になっているとした。離職の理由もケアワークが1つである。雇用保険が下がっている中でリスキリングが難しいとした。新藤さんは日本のリスキリングの大前提は失業後で在職中のリスキリングの受講者は4割でデンマークは7割が在職中とした。今野さんは低い方に政策的に流動化させてきてしまったことを見直す必要があるとした。

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三菱総合研究所

リスキリングの担い手について首藤さんは日中働いてその後に十分に時間が取れる人ばかりではない。リスキリングをするための休暇や時間の確保が必要だとした。広浜さんは水処理の会社では資格をたくさんとるが離職が多いが好循環になればいいとした。冨山さんはリスキリングをしたから人がいなくなっちゃうという会社はダメだとした。M&Aは集団転職で生産性向上効果がありすすめる必要があるとした。新藤さんはデンマークは就業中や在職中にリスキリングができる形を作っている。リスキリングは経営者を育てるものではないこともどうかとしている。補助金は指定口座しかないため拡大も必要だとした。

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M&A厚生労働省経済産業省
未来に向けて必要な発想は

今野は労働者に我慢してもらうことで社会が成り立っていた、リスキリングのチャンスなどと話した。首藤はどうやって付加価値を高めるか、従来の人件費を抑える方法では通用しなくなってきていることを認識する必要があるなどと話した。エッセンシャルワーカーが誇りを持って働ける社会的評価とそれに見合う待遇を社会と作る、働けるけれど働けない環境にいる人がその人の持っている1番素晴らしいものを発揮してもらうことに経営者も社会も仕組みを作っていかなかればならないなどと話した。新藤義孝は大きな改革期、強い信念を持って丁寧に説明して改革を進めていきたいなどと話した。

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エッセンシャル・ワーカー
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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