2023年10月26日放送 23:35 - 23:45 NHK総合

時論公論
性別変更の「要件」最高裁大法廷の判断は

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(時論公論)
性別変更の「要件」 最高裁大法廷の判断は

「戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要がある」とする法律の規定について、最高裁大法廷は憲法違反だという決定を出した。今回の申し立ては戸籍上は男性だが、女性として社会生活を送る当事者が行った。2019年に性別変更を家庭裁判所へ請求したが、認められず最高裁へ特別抗告をしていた。当事者は苦痛や後遺症の恐れがある手術をしなければならないのはおかしいと訴えた。当事者の間では様々な意見がある。美山みどりさんは手術要件があるからこそ社会への信用が得られていると述べている。また、トイレ・更衣室・浴室などで女性のスペースが守られなくなり、トラブルが起きるという懸念の声もあがっている。WHOは2014年に不妊手術を性別変更の要件とすることを批判する生命を発表した。2017年にはヨーロッパ人権裁判所も人権侵害と判断した。これらをきっかけに生殖機能をなくす要件を廃止する国が増加している。今回の決定で裁判長は現状について、生殖機能をなくす手術を受けるか、性別変更を断念するか過酷な二者択一になっていると指摘した。そして、社会の理解が進みつつあることや法律ができた当時よりも医学が進展していることも踏まえて手術の規定は憲法違反だと判断した。しかし、「外観要件」については否定しておらず、この部分で審理のやり直しを命じた。今後は別の要件を厳格にすることや生活上のルール整備などが課題となる。国会や裁判所には当事者の納得と社会の理解を得られる仕組みづくりが求められる。生殖機能を残したまま性別を変更した場合、子どもを作ることが可能になる。戸籍上、「男である母」「女である父」ができる可能性もある。これに対しての社会的な影響や対応も検討することが必要だという。

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世界保健機関国立国会図書館性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律最高裁判所木本奏太杉山文野欧州人権裁判所美山みどり
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