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オープニング映像。
国分寺崖線と呼ばれる大正から昭和初期に富裕層の別荘が建てられた高台。その一角に気になる建物があった。所有者を突き止めた中野さんは早速調査を始める。玄関ポーチは凝りに凝った作り。現在の家主は久保愛美さん。1933年に貿易商・土井内蔵の別荘として完成した。海軍の肩章と軍帽などを紹介。
1937年10月、海軍少将だった沖本至さんがこの家を購入し妻と娘2人の4人家族で引っ越してきた。1940年、和館を増築。太平洋戦争末期、米軍は多摩地区を頻繁に空襲。沖本邸には火を消したときの水の垂れた跡が残っている。1940年、姉・京子さんはいとこの郁さんと結婚。しかし郁さんは31歳の若さで亡くなる。妹・智子さんは広島に嫁ぐが、終戦後離婚しこの家に戻ってきた。
沖本家は両親と娘の4人暮らしが再開。京子さんは28歳で医大に入学。1957年に女性初の神経内科の博士号を取った。1960年代に智子さんはピアノ教室を始めた。1988年に母米子さんが亡くなり、その5年後父至さんも亡くなった。姉妹は70歳を超え家の手入れや掃除が疎かになってきた。特に京子さんが樹木の伐採や剪定に反対だったという。京子さんのこだわりは近隣との軋轢を生んだ。老姉妹は隣近所や親戚からも孤立していった。
2020年、気になる家はカフェとして蘇った。店の名は”カフェ おきもと”。およそ600坪の広大な敷地に竹林の小道を作り奥には英国式の庭園が広がる。元は主婦だった久保さんは料理を学び直しカフェ経営の学校に通い開業にこぎつけた。この家の相続人は久保さんの娘という。隣人という縁で久保さんは姉妹の暮らしを援助してきた。京子さんは95歳まで現役の医師を続けその翌年96歳で、智子さんはカフェのオープンを見届け102歳で逝去。造園家の御園さんはゲートを廃材で作り荒れ果てた庭を整備した。彫刻家の赤川さんは犬のオブジェを製作した。
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