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石渡リポーターはアース製薬の川端社長を訪ねた。アース製薬は年商約1500億円、従業員数は4727人。虫ケア用品のほかに入浴剤や掃除用品など幅広く日用品を扱っている。トップシェアを誇る虫ケア用品の開発には欠かせないという坂越工場を紹介。ここには様々な害虫を飼育する生物研究棟がある。ワモンゴキブリを約60万匹飼育している部屋もある。ゴキブリ以外にも蚊やハエなどを飼育している。虫により薬剤の有効成分は異なるため多くの虫を飼育している。地域の状況を把握するためアース製薬には主婦や女性にアースに入ってもらう「EMAL」という組織がある。
アース製薬では地域ごとに異なる需要を把握するため「EMAL」という独自の営業スタッフを設けている。ホームセンターやドラッグストアなどの小売店で活動している。頻繁に店舗に通うスタッフならではの視点も生かされている。「コーナン 鎌倉大船店」ではムカデに困っている声を聞くことも多いといい、ムカデのポップをつけた売り場を設けていた。需要にあった店作りでムカデの売り上げが全国でも上位。
アース製薬は1892年に大阪・難波で創業していた。創業当時は歯磨き粉の原料として使われていた炭酸マグネシウムから始まり「チキウ」という名前をつけて売っていた。殺虫剤を販売し始めたのは1929年。当初家庭用殺虫剤市場でのシェアハウス低く経営の危機に立たされた。当時の社長が会社を建て直すため「ごきぶりホイホイ」を生み出した。生産が追いつかないほど注文が殺到し、会社の危機を救った。
アース製薬は新たなロングセラー商品を目指して「MA-T」という液体に期待している。持続する除菌効果、無味無臭、安全性という特長を持っている。主成分の亜塩素酸イオンは菌やウイルスを見つけるとそれを攻撃する物質を生み出す。持続して攻撃でき、菌を減らすことができる。含まれる亜塩素酸イオンの濃度は0.1%以下で、残りの99.9%は水なので安全性が高い。
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- アース製薬要時生成型亜塩素酸イオン水溶液
「MA-T」はマウスウォッシュで実用化が進んでいる。口臭のもととなる菌も除去することで、応用が期待されている。MA-Tは住宅の害虫駆除の時に使う除菌と消臭でも使われている。水に近く引火しないのも大きなメリット。さらにMA-Tには活用の仕方でさらなる特性が生まれることがわかった。新薬の研究において、電子顕微鏡で微細な物質を立体的に見るには様々な角度から撮影する必要がある。ガラスの上で物質が重なると撮影できない角度が生じる。ところがガラスの上でMA-Tを化学反応をさせると接着剤を塗るようなことが可能になる。物質がガラスにくっつくことで重なりにくくなり様々な角度からの撮影がしやすくなる。アース製薬は様々な業界に声をかけて日本MA-T工業会を設立。新たな活用法を探っている。
川端CEOは「僕が社長になったとき英語表記は「アースケミカルコーポレーション」で化学がついていたが、化学じゃないよねと今は『アースコーポレーション』に変えている」「お客さんのお悩み解決したい、あまり化学の会社だとは思わずに取り組んでいきたい」などと話した。
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2023年7月1日(18:00)