2024年6月13日放送 4:05 - 4:15 NHK総合

視点・論点
「火山本部」の役割と課題

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視点・論点
「火山本部」の役割と課題

本年4月1日に火山調査研究推進本部が設置された。火山防災に向けての調査研究を一元的に行う政府の特別期間。我が国には111の活火山があり火山災害警戒区域に指定されているが、23都道府県が政府に対し火山防災に向けての一元的な対策を要望し続けた結果活火山法が改正され火山本部が実現した。2014年の御嶽山噴火は多くの死者、行方不明者を出し戦後最悪の死傷者をだした。火山学的には非常に小さな規模のもので居住地にも大きな被害をもたらすことになる富士山の宝永噴火や桜島の大規模な噴火などはこれまで100年以上発生していない。それ以前の日本の噴火活動の状況からすると非常に大人しい100年だった。しかし今後は江戸時代に各地の火山で生じたような居住地にも大きな被害をもたらす大規模な噴火が当然予想される。このような事態が生じるまえに一元的な火山調査研究体勢を整えて我が国の火山防災力をたかめる必要があると考えられた。現在の火山防災の状況は火山とは異なる現象が観測された際に事前に作成した判断基準に従い気象庁が噴火警戒レベルを運用し火山周辺の自治体が警戒レベルに応じた対策をすることになっている。しかし火山噴火の余地技術は確率していないことに加え火山の状況の判断をする気象庁には火山専門家がほとんどいない。そのために気象庁の火山噴火一元学会に大学や、研究機関の火山研究者がそれぞれの研究データを用いて気象庁の観測データに加え火山活動評価の支援を行ってきた。しかし火山噴火一元学会は、気象庁長官の私的諮問機関であり、独自予算も、他機関への機能もなく計画的に各火山の噴火履歴やなどの調査研究を行うこともできなかった。火山状況を把握する新しい技術開発なども個々の研究者の興味に依存するしかなかった。火山噴火が発生した場合には火山噴火一元学会にのもとに大学や研究機関の研究者による、総合観測案がつくられた。現地調査などを行って噴火推移を評価するための観測データの収集を行うが、調査費用はそれぞれの研究者は所属する機関で工面することが前提で気象庁が用意するわけではなかった。国立大学の法人化以降に毎年続いてきた運営飛行金の削減により大学の観測施設の無人化や、縮小、観測装置の老朽化も進んでいる。火山本部は文部科学大臣を本部長とし関係省庁の本部会議のをもとに政策委員会と調査員会が設置された。文部科学省、国土地理院が共同で事務局をつとめる。政策委員会では総合的かつ基本的施策を立案し我が国の火山調査研究会において火山本部が果たすべき役割と進むべき方向性を明確にする。またこの施策に基づいて、調査観測計画を策定し、予算等の調整や火山調査研究の成果などに関する広報活動を行う。調査委員会では関係省庁、研究期間、大学による調査結果を収集姿勢利子分析して火山活動を表評価し、国や地方自治体における活動火山対策に役立てることになる。この評価は定例開催の委員会や顕著な火山災害が予想される場合などに必要に応じて臨時開催の委員会でも行う。

キーワード
国土地理院富士山文部科学省桜島気象庁火山調査研究推進本部

火山本部における火山防災に必要な調査研究の内容では、火山本部は火山活動の総合評価に基づいて火山防災対策に貢献することが期待されている。噴火切迫日や、発生時には噴火に伴う溶岩流、火砕流など火山ハザードの影響評価に基づいて防災対策に当たる関係自治体や内閣府に対し効果的な情報発信を行う必要がある。このためには人工衛星などのリモート技術などハザードの把握手法や、火山ハザードの開発研究がかかせない。噴火切迫時や噴火時には臨時の自動観測も行い基盤的な調査観測に基づくデータと合わせて評価の基礎情報とする。この情報に基づいて状況の把握と推移を予測することになる。活発な噴火活動をつづけてきた火山では状況把握など観測データが蓄積されているが多くの火山では噴火の頻度が低いために十分な観測データがない。得に、富士山を始め100年以上噴火していない火山では過去の噴火切迫時などにどのような地震が増えたかなどデータすらない。そのために噴火が切迫しているかの判断には国内外の類似火山のデータも参照し判断する必要がある。評価に活用する基本データベースを整備し、国内外の多くの火山状況把握や推移予測に有用な基礎資料を計画的に収集し常に更新し流通させることが重要。日本では活火山が噴火するが、世界では50以上の火山が噴火する。そのために国内の火山だけでなく外国の火山についても調査を行うのが効果的。海外で噴火が発生した際には、現地に向かい海外の研究機関と協力して観測研究も行うことも目指すべき。火山で異常な現象が起こった場合にどのような場所で発生しているかを把握することはその後の現象の推移の判断に重要で、活火山で計画的に探査などを行い地下の構造を把握する必要がある。また火山噴火が始まってもその推移を正確に把握するにはそれぞれの火山で過去にどのような噴火が起こったのかを理解し、参考にする必要があるがこれまでは大学などの個々の研究にまかせ系統的な調査研究はおこなわれてこなかった。また、経費がかかるために大学の研究者にとって高嶺の花だったボーリング調査など重機も活動し計画的に活火山の噴火履歴などを明らかにする予定。これらの調査結果を解析するためには物質科学分析の拠点を構築する必要があるが、噴火時にはこの拠点でマグマ組成の変化や分析を行い、推移予測の基礎資料することが重要。一元的な火山の調査研究体勢が発足したが調査委員会の評価が直ちに高度化するわけではない。政策委員会で策定する調査観測計画に基づいて調査研究などを着実に進めていくことが大事などと答えた。

キーワード
富士山火山調査研究推進本部
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