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- 豊島晋作 佐々木明子 マルカス 片岡広太郎
オープニング映像。
インドは人口が世界一になり、平均年齢は日本が49歳なのに対しインドは28歳だ。若い世代は消費活動が活発で、世界一の市場を狙って各国が投資を加速させている。インドビジネスの今をお伝えする。
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ニューデリーで暮らすグプタさん一家は最近、エアコンを購入し生活が一変した。ニューデリーは熱波の影響で気温が50℃に迫ることもあり熱中症で死者が相次ぐなど深刻な問題になっている。家庭用エアコンの普及率が10%に満たないインドだが、需要は急拡大中で期待が高まっている。ダイキンのインドでの売上はここ3年で倍増し、シェアはNo.1を誇る。省エネ性能が売りでインドならではの56℃まで運転可能など現地事情を踏まえた機能が搭載されている。ラジャスタン州ニムラナには日本企業約50社が集積している。ダイキンのニムラナ工場では家庭用エアコンを年間150万台生産している。ダイキンは徹底した現地化でインドトップシェアを実現してきた。工場内には研修施設「道場」があり、インド人の間で“ものづくり”を継承している。ダイキンは1か月前からインド南部で新工場を稼働、生産能力を倍増させた。
日経平均株価を構成する大企業225社を対象にしたアンケートでは7割近くがインドでの事業拡大を検討していると回答している。インドでは所得水準が上がって日本の製品が人気で、生活に身近な商品も広がっている。
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インドのファッション界ではユニクロが人気を高めている。現地では安いとは言えない価格だが、手が届くようになってきた。国土の広いインドでは真夏でもダウンがよく売れるという。進出直後に始まったコロナ禍でも3年で黒字化を達成した。これまでインド北部で10店舗を展開してきたユニクロは新たに南部の大都市ムンバイへの出店を決めた。ユニクロで働くスタッフの研修が行われた。10月6日のオープン日、多くの人が来店した。柳井正会長兼社長が掲げた売り上げ10兆円の達成にインド事業が大事な局面だという。
ムンバイ中心部にある町ダラヴィは映画「スラムドッグ・ミリオネア」で注目を集め、海外からの観光客向けにツアーも開催されている。面積約2平方メートルの町に約100万人が生活を送っている。そのため、建物の高層化が進んでいた。ダラヴィではプラスチック工場で約25万人が働いている。ダラヴィの中にはリサイクルのための機械を製造する工場などもあり、1万を超える事業者が活動している。
ムンバイはインド最大の金融都市で、常に建設ラッシュが続いている。世界の名だたる企業が集結する金融街「BKC」で住友不動産が動き出した。日本がインドに輸出する新幹線は5年後の開通を目指し、アーメダバードとムンバイの間で工事が本格化している。さらにBKCには来年、メトロも開通する予定だ。BKCのオフィス賃料は今後さらなる上昇が見込まれている。そうした中、住友不動産はインドへの5000億円もの巨額投資を決定、初進出を果たした。約380億円を投じ3800坪の土地を所得、すでに工事が始まっていた。住友不動産のインド初進出で多くの日本企業が受注する見込みだ。住友不動産は去年、BKC内に2軒目の土地を取得、2000億円近くを投じ2棟のオフィスビルを運営する。さらに先月、2万4000坪の土地を取得し超高層ビルを建設することになった。
インドではビルを建設するとすぐにバラ売りして物件が細分化され多くのオーナーを探さないといけないという。インドでビジネスをする際の課題には「法制の運用基準の不透明さ」「インフラ整備の遅れ」などがある。こういった課題に直面してインド事業から撤退する企業も少なくない。インドは28州があり、地域によって法律も違ってくる。地元の企業と組むことが現実的だという。
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インドでは以前からQRコード決済が普及していた。PayPayの仕組みもインド側のアイデアだったという。こうした決済サービスが普及した背景にはインド版マイナンバー「アドハー」という制度がある。アドハーは指紋・虹彩など生体認証で本人確認していて、NECの認証技術を活用している。貧しい人でも身分証明書を持つことができ、銀行口座も開けてコロナ禍でも給付金が速く届いた。
大手メガネチェーン「オンデーズ」は国内250店舗、海外290店舗を展開している。田中修治社長が2008年、多額の負債を抱えていたオンデーズを買収してからは15年連続で売り上げを伸ばし続けている。オンデーズは去年、インドのメガネチェーン最大手「レンズカート」に買収され傘下に入った。レンズカートの強みはITの活用だ。田中社長はインドのITを引き込むために傘下に入ったという。
IT技術を活用したメガネねの販売で急成長するインドのレンズカートは去年、日本のメガネチェーンの「オンデーズ」を買収した。傘下に入ることでインドのIT人材を引き込みたいと考えたいた。レンズカートのペイ種CEOはマイクロソフト出身だ。工場ではメガネ1500万本分の部品が収納されたコンテナがオンラインの注文で自動で運搬される。こうしたこをと可能にするのがインドが誇るIT人材だ。オンデーズではインド流ITの活用を進め、AIカメラが1日の来店客数や1分以上滞在した客数などを分析するシステムを導入した。中にはインド流のやり方に戸惑いを感じる社員もいた。
インド工科大学はインド各地に23校あり、入学倍率は100倍とも言われている。グーグルやマイクロソフトなど世界的なテック企業でCEOを務めるのもインド工科大学の卒業生だ。インド工科大学で教鞭を執る片岡広太郎准教授によると、学生は問題解決能力能力が高いと話した。インド工科大学では大学が学生と面接できる企業の順番を決めて、学生は1社から内定を受託した時点で就職活動を終えるという仕組みになっている。インドの学生はジョブ型の思考を持っていて、数年かけて教育して仕事を任せようとすると転職してしまうという。
インドと中国はかつては兄弟とも言われたが1962年に戦争があってからは仲が良くない。中国はインドの周辺で影響力を強めている。スリランカに対して多額の貸付を行って、返済できなくなると99年間の港の運営権を獲得し、債務の罠にはめたと批判を受けている。モルディブでは親インドだった大統領を親中国の新しい大統領がやぶった。日本・インドはスリランカに対し返済期限延長し中国の影響力を削ぐ狙いがある。
インドに進出したい日本企業はスピードを早めにしてインドの事を考えてやった方がいいとマルカスは言った。
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