今回の物語は茨城県つくば市、筑波山を望む街にある元古民家。村の組頭役を務めた旧家の屋敷として約200年前に建築、養蚕業も営んでいた地元の大豪邸だった。この貴重な茅葺き家屋を残したいと、広田栄治さんによって2005年元古民家はイタリアンレストランに生まれ変わった。店内に入ると、かつての日本家屋に多く見られた田の字の間取りを利用した、開放感のあるテーブル席が並ぶ。提供されるのは、地元の食材を使った創作イタリアン。廊下は秋田杉をふんだんに使って改修、その先にはこの建物を見守ってきた樹齢400年の椎の木がある。庭園では結婚式ができ、2022年には養蚕の作業場だった建物が親族たちが集うお洒落な談笑の場になった。