今年4月、女性支援新法が施行された。DV、性暴力、貧困などの困難に直面する女性を支援するもので、ポイントの一つは行政と民間団体の連携を掲げていること。長野・上田市にある「やどかりハウス」では困難を抱える女性たちが1泊500円で宿泊できる。宿泊中にはソーシャルワーカーと今後の生活について等相談することができる。ソーシャルワーカー・秋山紅葉は「日常的に暴力や抑圧を受けているときに自分の判断でそこから逃げよう、違う場所で生活しようとは思えない。いったん出て休息して落ち着いて考えられる時間が必要」と話す。高校生の時にやどかりハウスにたどり着いた女性のケースを紹介。幼いときに両親が離婚し父親から精神的暴力を受け続けてきたという。行政の保護は受けられずやどかりハウスにたどりついた。精神的暴力などの場合は緊急性を認めてもらえないことも多い。女性はやどかりハウスに数ヶ月滞在後、父親から離れ自立した生活を送っている。こども家庭課児童相談養育支援室・山崎百華は「これまでの一時保護は圧倒的にDVの被害者が多かった。民間団体の柔軟な対応についてのノウハウを県も学びながらより連携を深めていきたいと思っている」と話す。お茶の水女子大学名誉教授・戒能民江は「困難から解放されるためにはゆるやかな関係がまず大事。安心できて心を開いていくことが民間支援団体の求められていることだと思っている」と話す。