日本政府も2050年までに脱炭素社会の実現を目指しているが、企業も一体となって取り組むべき時代。アイカ工業は接着剤、建築資材、樹脂など様々な分野の素材を製造するメーカーだが、アイカ工業だからこそできる地球環境に優しい製品の開発に挑戦している。自動車の製造工程で排出される二酸化炭素の約25%は塗装工程で発生すると言われている。そこで塗装に代わる素材を開発して、二酸化炭素の排出を抑制できないかと考えた。その素材が「3次元加飾ハードコートフィルム」。塗装並みの耐久性、ツヤが出せる一方で、模様を付けるなどフィルムならではのデザインが可能になる。まだ実用化はされていないが、塗装は「貼る」時代へ、をキャッチフレーズに開発を進めている。これまで内装用のフィルムはあったが、外装用はより高い耐久性が必要なため、なかなか実現しなかった。しかし外装の方が面積が広いので、これが実用化されると二酸化炭素の排出量を従来の半分以下にできるのではないかと期待している。