東京23区で廃棄される粗大ゴミの中で最も数が多いのは布団。今年、埼玉・本庄市にある寝具メーカーが新しく羽毛布団の再生工場を作った。多いときには1日に800枚以上の布団が送られてくるという。3年前のコロナ禍で依頼が急増した。寝具メーカー・河合重宏は「家にいる時間が非常に増えて、睡眠を見直すきっかけとなった。今ある布団を作り直してもう一度使いたいという声も多かった」と話す。羽毛を預かった布団ごとに洗浄し汚れやゴミを取り除いて、新しい生地に詰め直す。河合は「羽毛は適切なメンテナンスをすれば100年以上使える素材と言われている。大事に使うことでごみの廃棄、削減にもつながる」と話す。背景には原料不足の問題もある。羽毛は水鳥を食肉に加工する際にとれる羽毛が使われており、多くを輸入に頼っている。しかし食文化の変化で水鳥の食肉需要が低下し羽毛生産量も減っている。1993年に約10000トンあった羽毛輸入量は、2023年には約2000トンと5分の1に減った。