今日の為替の見通しを植野さんが解説。アメリカ消費者物価がきょうの最大の注目材料。市場予想と比較し、上ぶれすればドル高、下ぶれすればドル安の教科書通りの反応を示すことが予想される。FOMCの結果発表を明日に控えているため値幅は限られると思われる。2024年の日米の金融政策について、日銀は長期金利の上限を廃止してマイナス金利も解除すると予想。問題はその後の展開で、現在の日本に欧米並みの連続利上げに耐えられる基礎体力はなく、政策金利は小幅のプラスで据え置き、“Low for longer”の政策運営が続くと思われる。実質短期金利はマイナスが続くため、極端な円高圧力が発生する可能性が低い。アメリカについては、FRBの金融政策は調整利下げで穏やかになると思われ、ドルの実質短期金利はプラスに保たれ極端なドル安圧力は発生しないと考える。来年のドル円は130円台半ばから後半がコアレンジになると思われるが、日本の政策金利がマイナス圏のまま続くなら、ドルの人気が落ちる局面でも円の人気が上がるとは考えにくく、円高が加速しても130円前後で止まると思われる、と植野さんは話した。