2023年の夏、岡山理科大学の辻極秀次さんはモンゴル・ウランバートルに降り立った。研究所でたんぱく質が残っていそうな恐竜の化石を見つけることが目的。2日間にわたって目ぼしい化石を探した。その後、モンゴルから借りた貴重な化石からコラーゲンを抽出し、アミノ酸配列の分析を行った。実験を繰り返すうちにコラーゲンの脩出効率が向上。化石からよりたくさんのコラーゲンを集められるようになった。そして、2025年2月、オヴィラプトルの化石から抽出したコラーゲンからアミノ酸配列の断片らしきものをかつてないほどたくさん取り出すことに成功。問題はこれが本当に恐竜のコラーゲンかどうかということ。今の爬虫類や鳥など1000種類以上の配列と比較。これらの生き物と比べることで取り出せたアミノ酸がどんな生き物の配列とどれくらい似ているかが分かり、その正体に迫れるという。そして、オヴィラプトルの化石から抽出したコラーゲンのアミノ酸配列がニワトリに似ていることが判明。アミノ酸配列は2か所だけ違う。つまり、配列はニワトリと似て非なるもので恐竜独自のアミノ酸配列である可能性があると辻極さんは考えている。