最も忙しい借り入れの季節を迎えたティンギュー集落。最初は僧侶の畑を借り入れる。僧侶が尊敬されていることと、厚い信仰心は昔のまま。その次はこの1年間で誰か人が亡くなった家の収穫をする。そして手伝ってもらっている家庭の人がご飯を振る舞う。冬に入るまでの約2か月は仕事が忙しく、大麦の刈り取りに精を出す。主な農作物は大麦やそば、ジャガイモなど。特に大麦は挽いて粉にし、ツァンパと呼ばれる貴重な主食にする。収穫した大麦は向かい合った村人が交互にタイミングを合わせて叩き脱穀する。刈り取りが終わると収穫を祝うお祭りがある。集落の中心に集まり、大麦から作った酒”チャン”が振る舞われた。またドルポの子どもたちは働き者。家作り用の石を掘り起こし、大切な働き手として生きている。そんな中ティンギュー集落で結婚式が行われた。めでたい行事に親戚一同が集まり、めったに食べられないヤクも解体。ヤクの血液にお米や香辛料を混ぜて腸に詰め茹でた、ギュマと呼ばれるソーセージも振る舞われる。花嫁と親戚がプレゼントを持って、旦那の待つパル集落に向かう。花嫁の親戚一同が帰ると、すぐさまプレゼントの中身を確認していた。