ロードスはバラを意味し、このロードス島の神のヘリオスの恋人名にちなんでいる。その名の通り、華やかな文化に彩られた島。ヨハネ騎士団の要塞はカトリックの軍事組織のヨハネ騎士団が中世に築いた要塞。ロードス島は地の利の良さと豊かさから様々な勢力の支配をうけながらたくましく時代を乗り越えてきた。紀元前7世紀に気づかれたカミロス遺跡は真っ直ぐに伸びる道があり、その先の最も高い場所にあるのはギリシャ神話の神のアテナの神殿がある。その足元には家並みが広がっている。広場やベンチなどがあり、丘の上のアテナ神殿には貯水槽があり、市民に水を提供していた。カミロスの神話でははるか昔に全能の神のゼウスのひ孫にあたるアルタイメネスという男が住み着いた。アルタイメネスは予言で父親を殺してしまうと聞いて、ここに身を隠したという。しかし船がこの島に近づくとアルタイメネスは海賊と勘違いし矢を放った。しかしそれは父親で、アルタイメネスは自ら死を願い大地に飲み込まれたという。ロードス島には他にも絶景の遺跡があり、リンドスはエーゲ海を見渡すこの地に紀元前10世紀にアクロポリスが築かれた。その後中世になってからも要塞として重要な地位を保ち続けた。時代を超えて2500年以上に渡って輝きを放ったリンドス。人々を魅了するのは絶景。リンドスには車では登れず、大勢の人々が徒歩でリンドスを目指す。出迎えるのは何本もの柱で、かつては42本の柱があった。アテナ・リンディア神殿は海と大地を見下ろしている。
ビザンチン帝国時代の正教会は古代ギリシャのローマの時代を経て、ロードス島はビザンチン帝国の時代に入った。14世紀に支配者となったのはカトリックのヨハネ騎士団。その城が残っている。イスラムとの戦いに備えてここに城を築いたという。ロードスタウンの旧市街地はヨハネ騎士団が長さ4キロの城壁を完成させ、堅固な要塞都市になった。一際大きな建物はヨハネ騎士団長の館。ロードス島はキリスト教勢力の重要な防衛拠点だった。しかし1522年にオスマン帝国の軍に包囲され、ヨハネ騎士団は島を去った。島の支配者はキリスト教徒からイスラム教徒へと変わった。オスマン帝国の元で様々なモスクが築かれたがいち早く築かれたのがスレイマンモスク。オスマン帝国の元ではキリスト教の信仰も認められた。ロードスタウンの旧市街にはこうした様々な文化が混在し、共存する独特の町並みが出来上がった。しかしオスマン帝国も徐々に衰退し、20世紀に崩壊した。20世紀になってロードス島はイタリアの支配を受けた。イタリア人が築いた市場はショッピングモールになっている。さらにロードス島の政府庁舎はベネチア建築。ロードス島はその後ドイツに占領され、イギリスの管理下にもおかれたが、ギリシャの一部となったのは1947年の事。今では人気のリゾート地になっている。