各省や市の政府がネット上で公開している予算と決算の報告書を調べると、各地方政府が抱える債務の残高が掲載されていた。足し上げると総額は700兆円余にのぼった。融資平台に関するデータは見当たらなかった。調査の結果、中国のある民間企業から融資平台の債務のデータを入手できた。各地の融資平台の債務の残高の総額は1100兆円余で、地方政府の公式な債務を大きく上回っていた。この債務は銀行などが融資をする際地方政府が実質的に返済を保証しているとみなされているため、地方政府の隠れ債務とも言われている。一般的に国の中央政府と地方政府の債務を足してGDP比60%以内であれば財政が健全と言われている。中国の場合中央政府の公式債務500兆円余に地方政府の債務700兆円を足してもGDP比では52%。しかしこれに隠れ債務の1100兆円が加わると100%となり、財政が健全とされるラインを大きく上回っていた。さらに不動産不況のあおりを受け地方政府の収入も減少、債務の返済が一層難しい状況に陥っていた。元IMF職員のウィリアム・リー氏は「この巨額の債務は中国経済の根底を脆弱にするもの」「すでに地方政府は完済できる見込みもなくこれ以上の資金調達もできなくなっている」などと指摘した。