スペイン北東部ジローナに住むうだつの上がらない貧乏画家トメウ・ラモは1988年、骨董屋でダリ風の絵を2万5000円で購入した。絵が本物であると証明するためにトメウは本や生前のインタビュー映像を見てみた。ダリには母親の子宮の中にいた時の記憶があると知り、絵が子宮の中にいた時の記憶をもとに描かれたものではないかと考えた。自分1人ではどうにもならないので、なけなしの金をはたいて全問カニ調査を依頼した。絵の具を採取するとその中の1種は1909年に発売されたものだった。絵に描かれた96という数字はダリの幼くして亡くなった兄が子宮の中に誕生した年だとトメウは考えた。トメウはダリの絵だと認めてもらうためダリの遺産を管理する、ガラ=サルバドール・ダリ財団に絵の写真と調査報告書を送った。