パリパラリンピックで祖国を離れた選手たちでつくる難民選手団が初のメダルを獲得するなど活躍し、UNHCR（国連難民高等弁務官事務所）は「夢には限界がないことを証明した」と讃えている。難民選手団は2016年の大会で初めて結成されオリンピックとパラリンピックとも過去の2大会ではメダルの獲得はなかったが、パリ大会ではオリンピックのボクシング女子75キロ級、パラリンピックのテコンドー女子47キロ級で共に銅メダルを獲得した。男子では陸上400メートル視覚障害のクラスでカメルーン出身で政情不安を理由に難民として英国に逃れたアタンガナが決勝に臨んだ。自己ベストを更新する50秒89のタイムで3着でフィニッシュし難民選手団の男子選手として初めてとなる銅メダルを喜んだ。レース後、アタンガナは「難民でも多くのことができるとみずからを信じ前向きでいることが大事。次の大会は表彰台のさらに高い場所に立つ」と意気込みを語った。UNHCRは世界の難民または同じような状況にある人は合わせて約4300万人いるとしていて「夢には限界がないことを証明した」として困難を乗り越えて勝ち取った栄光を称えている。