現在、遺跡の3分の2は草に覆われている。また池や湿地などもあり、変化に富んだ自然が広がっている。夏は遺跡の管理のため草刈りが始まった。驚いた虫たちが一斉に飛び出し、それを待っていたのはツバメであった。ツバメは空中で飛んでいる虫などを捉えるため草刈りは狩りの格好の機会であり、鳥たちは人の営みを巧みに利用して生きている。草刈りの恩恵に預かる植物もあり、紫色の花を咲かせている草刈りで見通しが良くなると花に虫が集まりやすくなり、受粉の機会が増えると考えられている。遺跡が夕暮れに包まれる頃、ヨシ原の上空が騒がしくなってきた。ツバメの大群が訪れ、夏に子育てを終えた親鳥やこの年生まれた子どもたちは夜にヨシ原などに集まって休んでいる。多い日には6万羽となり、日本最大級の寝蔵であった。
